[小説]禁句またはタブー | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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①さて、プロジェクトも終わったし、パーッと打ち上げだな。


シッ!
声が大きい。
首になるぞ!



はあ、何かまずいことでも言ったか?



お前、知らないのか。
あと数日は打ち上げって言葉を使っちゃいけないんだ。






②ヒイーッ。暑くてたまんねえな。ビールでも飲みに行くか。
ったく、このギラギラには参るぜ。お日さま、どうにかなっちまったんじゃねえか。


ぎゃ!
そんなことを言うな。
天罰があたる。
いや、社内ではお日さまのことを話題にするな。政治部からクレームが来るぜ。



③今夜はあいつとランデブーだ。うらやましいだろう!



バカッ!声が高い。



なんだよ。セクハラになるってか?



違う、違う。局内でその言葉は禁句だ。



はあ、古すぎる言葉だってか?




逆だ。新し過ぎる。






④日射しがきついなあ。
おい、なんかシェルターになるもの買ってこいよ。


うわっ!

知らねーっと。
俺は関わりないからね。





⑤なんで打ち上げの時はあれほどマスコミが騒いだのに、なんで全く報道しないの?


……。






⑥今日のお昼だったよね。
中継とか、普通やるでしょよ。




……。









あと1日、あと1日。

なんとかもってくれよ。