失礼しました。
我々ポッポ星人の素粒子言語どころか、まだΦ共通言語さえ理解できない原始的有機生命体がいることを忘れておりました。
改めて題名を書きます。
『宇宙環境省報告書第187510DA』
オリオン腕第3枝第691074太陽系における惑星環境に関して、宇宙環境省はその太陽系の第3惑星に住む有機体からなる原始的生命体に対し、至急エントロピー減衰策を講じるよう警告を与えることを決定した。
これは、この警告を発するに至ったオリオン腕第3枝第691074太陽系第3惑星の現状報告書である。
(オリオン腕第3枝第691074太陽系の第3惑星に対して、以下地球と訳す。また、そこに棲むエントロピー増加の主原因を発生させている原始的な有機生命体を、便宜上人間と訳す:筆者)
宇宙暦184184-190年における、オリオン腕のエントロピー増大は、我々の存在するこの銀河のみならず、隣銀河であるアンドロメダ銀河にも影響を与えかねない状況を呈してきた。このエントロピー増加の主原因となっているものは、地球と呼ばれる太陽系の微小な岩石型惑星である。
さらに、最近の調査結果から、この地球に寄生する人間という原始的有機生命体が、その増加に極めて強く関わっていることが判明した。
元来地球には有機生命体は存在せず、極めて安定した環境であったが、40億年ほど昔、ここに飛来した彗星にあった炭素を核として有機物が創造され、やがて有機生命体という寄生生命体が生まれた。
この有機生命体の地球への寄生により、地球環境は大きく変わっていったようである。
試算によれば、太陽系平均無機生命体3、有機生命体12に対し、この惑星には無機生命体0、有機生命体10^17という想像を絶する数値が存在する。
有機生命体の発生自体はエントロピー減少ではあるが、この生命体が超短期間で終わることを考えれば、恐ろしいほどのエントロピー増加を与えていることは明白である。
特に人間なる有機生命体は、あろうことか地球の無機物質からエネルギーを取り出すという暴挙まで行っている。 極めて原始的な有機生命体に無機物エネルギーの管理は不可能であることを知りながら、かかる作業により一層エントロピー増大に拍車をかけたことは非難されるべきであろう。
かかる物質の管理が可能なのは、中位の電磁生命体でも難しく、π粒子以上の高次生命体だけであることは、わずか10000000歳の赤子でも知るところである。
以上をもって、オリオン腕第3枝691074太陽系第3惑星に関するレポートを完了する。
宇宙暦 184184-190年
テヤンデ記す