青い光の話(だんだん難しくなるかも)★上 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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青い光のことが、一部で話題になっているようです。

そこで、人が見て青く見える光について考えてみました。


今回の記事は、最初はお子さまランチレベルですが、どんどん難しくなっていく可能性があります。できる限り物理化学用語などを使わないで書こうと思っていますが、やむを得ず聞き慣れない言葉が出てくるかも知れません。

ですから、面倒なことを考えたくない方はスルーした方が良いでしょう。


さて、でははじめますか。



人が見て青い光とはどんな場合でしょうか。
まず思いつくのが、青い色メガネをかけたときでしょう。 メガネのガラスが青ければ、真っ白な蛍光灯も青く光って見えます。


次に考えられるのが、これとは逆。つまり、蛍光灯に青いセロファンなどを貼った場合です。あるいはステンドグラスの青いガラスなどから来る光です。これもまた、もともとは白い光を青く見せます。


ここまでは幼稚園児童でも分かります。

ここから少し難しくなります。

炎の色は温度に関係します。例えばオレンジ色のタバコの火は摂氏800度くらい。
プロパンガスの青い炎は、うまく燃やすと摂氏2500度くらい。さらに溶接などで使われる青白いアセチレンガスは、摂氏3300度くらい。

つまり、炎の温度が高いと人には青っぽく見えます。
これは星も同じで、火星や木星のように光を反射して赤や黄色に見える惑星は別として、太陽や星のように自分で光っているものは、その色でだいたいの表面温度が分かります。

例えば、黄色っぽい太陽は摂氏約6000度、オリオン座の赤いベテルギウスは摂氏3000度くらい。

一方、同じオリオン座の 青い星リゲルは摂氏20000度以上。



このように、人の目で見た炎や星の色は、温度と関係があります。


さて、ここからさらにレベルアップ。

プロパンガスやLPガスの炎は青っぽいのですが、これを一瞬でオレンジの炎にすることができます。また、たき火の炎は黄色やオレンジに見えますが、これを緑色の炎に変えることもできます。

前者は、炎に味塩でも振りかけるか、塩水をまぶした針金を近づければよいですし、後者はたき火に細い銅線を入れるだけです。

これはなぜでしょうか。
食塩や味塩のラベルを見ると、成分のほとんどは塩化ナトリウムとなっています。
この塩化ナトリウムが炎に熱せられ、塩素とナトリウムに分かれます(正確な表現ではありませんが、まあ、そう考えて下さい)。
さらにこのナトリウムが、熱で少し姿を変えます。姿を変えたナトリウムが、また元の姿に戻る時に光を出します。
簡単な似た話に置き換えますと、屋根に登った猫が雪が降り積もった地面に飛び降りたとします。 そうすると、雪に大きな穴ができますよね。
なぜ穴ができたかを物理的に考えると、高い位置にいた猫は位置エネルギーを持っていたが、飛び降りることにより位置エネルギーを運動エネルギーに変換し、その運動エネルギーにより雪に穴を作ったとなります。
つまり、穴は高い位置からのエネルギーが変化したものだとも考えられます。

これを味塩に置き換えましょう。

プロパンガスの熱で、味塩の中の塩化ナトリウムが塩素とナトリウムに分かれ、さらにナトリウムが炎の熱でより高い所に持ち上げられます。

高い所に行ったナトリウムが、元の位置に降りるときにエネルギーを出します。
このエネルギーは、オレンジ色の光となって現れます。

中学校で習う、炎色反応というやつです。

たき火に入れた銅線も、同じ原理で緑色の炎に見えます。



実は、ここまでは準備体操。 本題はこれからですが、疲れましたから、続きは気分が向いたら明日にでも。


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