現在の温度計ならば、誤差が1度以上あるなどということは考えられない。
市販の体温計でさえ、誤差は1度以下だろう。
それが、最先端技術を要したであろう原子力発電所では、20度と考えていると聞く。
はあ?
紀元前の話ですか?
人でさえ、20度も誤差はありませんがな。
氷が張った朝に、今日は20度かなあ、なんて言いますか?
いやいや待てよ。
漏水防止に新聞紙やらおがくずを詰めることをする突飛な策を考えたりするから、あるいはあり得るかも知れない。
冗談はさておき、この20度の誤差について考えてみよう。
まず思い浮かぶのは、対流かなあ。 下部と上部ではそれくらいの差異が生じるのかも知れない。
つまり、20度の誤差というのは温度計の誤差などではなく、状況、状態を考えての誤差となる。
仮に温度計の誤差が20度もあるのならば、79.4度のような表現をすることは全くもって常識はずれであり、中学生の数学さえ理解していないということになる。
ただし、インターネットなどに書かれている表現は、まるで温度計の誤差が20度あるような書き方だ。
記者がそこまで勉強不足とは思いたくないが、万が一疑問を持たず『温度計の誤差』という表現をしたならば、この国の報道はますます壊滅的になってきたということだろう。
まあ、そこまでは落ちぶれてはいまいが。
次に考えられるのは、温度計自体の問題だ。
アルコールや水銀を使った原始的な温度計はいざ知らす、現在工業系で使用されている温度計のほとんどは電気抵抗を測定して温度換算するものだろう。
たとえば、この電気抵抗測定型温度計は中性子などに大きく影響を受け、中性子の多い状態では正確な値が測定できない、というなら話はわかる。
が、私はそういったことがあるのかどうかは知らない。
中性子ではなくとも、温度計自体の何らかの理由で、誤差が20度あるとするなら、小数点下1桁までの発表をすることの無意味さを理解していての報道となるから、これは非常に悪質な報道である。
誤差が20度に関しては、もう1つ考えることができる。いや、この可能性が一番高いと思うことだ。それは、冷却水の温度を正確に計れない場所にあるということだ。事故内容や現在の原子炉状況からみて、私はそう思っている。
ただし、これを明らかにすると“冷温停止”の話自体が吹き飛んでしまう。
だから、信じられぬ『温度計誤差20度』という表現になるのだろう。
この考えが、どうしようもない間違い、誤解、妄想であることを願いたい。
★19:32の時事通信記事が、あっというまに削除されてます。
なんだろね。