
骨がきしむとは、まさにこのことだろう。
それでも男は家にいる子羊を起こさぬようにと、息を止めながらそっとドアを開けた。
“クリスマスだっていうのに、どこをほっつき歩いてたのよ!”
現れたのは、子羊ではなく、かなり回っている大虎だった。
“毎年毎年、クリスマスになると家にいたことないじゃない!少しは家族のことも考えてよ”
と言われてもなあ。
この日ばかりは休めないよなあ。
はーぁ。
また、来年も冷たい水をかけられちまうのかい。
男はベッドに横たわりたかったが、大虎が掃除機を回し始めたのでうつらうつらすることさえできないでいる。
男の名前は三太黒須。
クルシミマスの夜は、いつもこうなのであった。