
これは明日(13日)午後15号になった、ロウキーと名付けられた台風との会話を先取り録音、放送するものである。
なあ、15号さんよ。いや、あんたにゃロウキーとかいうメリケン訛りのけったいな名前があるようだが、ひとつ願いを聞いてくれねえべか。
今年は、紀伊半島中心に、先だって1週間で1年分の雨が降ってしもうた。
あんたがいないと日照りで困るが、今年はもう結構じゃ。
頼むから、日本列島にこれ以上雨を降らすことは堪忍してくれ。
かといって、あんたの生まれた沖ノ鳥島の西にばかりうろうろされても困る。
あの島は300億の金をかけて、防波堤をつくりチタン合金の覆いをしてあるとはいえ、あんまりあそこらへんで高波を立てられたら、日本の国土以上の海を失う。
頼むから、静かに消えてくれ。
いやいや、西に移動するのはいいが、そちらには沖縄がある。
バイオ作物もやられちまう。
沖縄に行く前に消えてくんろや。
ゴーッ、ゴーッ。
ゴーッ、ゴーッ。
私は、いまだに台風語を話すことはできない。
思いが通じたか、たいへん不安である。
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