
このご恩は一生忘れません。
とは言っても、わたしは明日までの命。
必ず、娘たちにあなたへのご恩返しをさせます。
ありがとうございました。
そう言って、彼女はフラフラと出て行った。
それから半月ほど経った夜。
その娘たちらしいものの接待で、私は一睡もできない夜を過ごした。
体をよじりのた打ち回らんばかりの、幾多の娘たちの歓迎。
明け方になってよく診ると、はっきりとわかるキスマークが身体中についている。
これが彼女の言っていた恩返しなのだろうか。
網戸に絡まっていたメスの藪蚊1匹。
普段ならパチンとするところだったのだが……。