春風の中の春夏秋冬所用があり、歌謡曲『矢切の渡し』あたりに行った。 途中にあった八重桜は、青空を背に春を謳歌していた。 しかし、川岸にはまだ冬が残っていた。 ところが、しばらく歩くと、やはり春が顔を出す。 振り向くと、空には入道雲のような白い雲があり、つい夏が来たかと勘違いしそうだ。 が、まだ肌寒い春風に長い髪をなびかせる少女?の衣装が、まだ夏には早いことを告げている。 川面の光はもの悲しく、秋さえも感じさせた。