
次から次へと、彼の歌う動画が削除されているようですね。
で、私は彼とは直接会ったことはありません。
が、彼のオヤジにはお世話になったこともあり、またそのサムライ精神は、少なからず私の人生感に影響を与えています。
彼のオヤジは、映画俳優と見間違いかねないような、いわゆる男前。
同世代の中では、相当ノッポの方だったでしょう。
また、その歌声は玄人はだしとして、皆によく知られていました。
若い時に仕事で身体に負傷を負ったにも拘らず、ゴルフの腕前もシングル級。
ある意味、目標とすべき方でした。
酒はかなり好きで、朝っぱらからアセトアルデヒド臭を漂わせていたこともありますが、けして酒に呑まれるタイプではありません。
にらみをきかすと怖そうにも見えることもありましたが、根が優しいのを皆が知っていましたから、仮に叱られても卑屈になる人はたぶんいなかったでしょう。
その方とは、最初の出会いがよく記憶に残っています。
新入社員となって約半年。
私は本社から千葉にある工場に転勤になりました。
が、すぐに某本部長付とかいう恐ろしい名前で、そのオヤジが工場長を務める場所に転勤です。
つまり、半年で2回目の転勤でした。
本部長なる方に連れられ田舎町に行きます。
“へんなやつを頼まれちまった。まずは半年可愛がってくれ”
途中の道で一緒に立ち小便をし、目の前にあった梨の実に手を出して、梨園の見張りばあちゃんに叱られチャックを上げるのもそこそこに車に入った本部長が、本人を前にして“へんなやつ”です。
面白い会社でしたなあ。
で、斎藤さんのオヤジもこれまた面白い。
“じいさんくさいやつだなあ。分かった”
タバコを吸いながら私を見ます。
当時は恐いものがなかった私も、平然とガンを返します。 いや、目を見ながらお辞儀をしました。
で、翌日。
朝礼で、数百人を前に呼び出されました。
“じいさんくさい顔をしているが、新入社員の島ちゃんだ。仲良くしてやってくれ”
ギャ。またもや、ジジイ臭いです。
でも、確かに当時の私は、今よりははるかに大人でしたし、仕事もできました。
かなあ???
今は、はいはいしか言えない、チンチン無しのヨボ爺さんですがね。
で、オヤジさんは間違いは間違い、いいことは良い。
はっきりしていた気がします。
その影響でしょうかね。
彼があんな曲を作り、動画まで公開して逃げることをしないのは。
昨日あたりから騒がれだし、検索ワードトップファイブに入る斎藤さんの歌を聴いて、ずいぶん昔のことを思い出しました。
オヤジは、ガンの手術をしてからも酒は飲んでいた様子。
あのオヤジらしいです。
ちなみに、斎藤さんのオヤジは、私の第6、7番目くらいの“オヤジ”です。
素晴らしい方でした。
息子のシンガー頑張れよ。
私よりひね歌なのが危険だなあと、ちいと気にはなりますが。
しかし、ギター上手い。
ピアノ、ドラムもプロらしい。
万能だったオヤジ譲りかなあ。
彼が学生時代には、いかにもというエピソードがあることはウェキなどで知った。
インターネット情報だからどこまで事実かは疑問が残るが、あってもおかしくはない、笑えるエピソードである。
オヤジは天国で、酒を片手に苦笑いでもしているだろう。
