ボケ爺のツッコミ その6(エセ科学:地震雲) | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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こうした大地震の後には、にわか科学者、エセ科学者、世紀末思想を唱えるエセ宗教がはびこりやすい。

そこで地震に関するエセ科学の代表、地震雲について考えてみる。

地震雲発生理論には、実に幼稚なものから、かなり注意しないと信じてしまいそうな、うまい理論まで種々ある。

その中で、なかなか上手い嘘理論を披露したい。



★地殻破壊地震雲発生説

①地震の際には、地殻の破壊がある(これは正しい)。
②地殻のなかのカコウ岩はセキエイを含む(これも正しい)。

③セキエイは破壊するときに、ある種の電磁波を出す(これも正しい)。

④電磁波により雲が発生する。これは大学などの研究所で実証済である(これも正しい)。

⑤だから、地震の際には地震雲が発生する(これはあり得ない)。


さて、どうだろうか。

①から④まで全て正しいのに、なぜ最後の⑤であり得ないとなるのかお分かりだろうか。


これこそ、人間の心理をついたトリックなのである。
実は、①から③までは繋がりがあるが、③と④は繋がらないのだ。


簡単に述べよう。

地殻破壊によってセキエイが破壊し、電磁波が発生するまではよいが、その電磁波たるやごく微弱であり、地表まで届くかどうかさえあやしい。

ましてや空気を突き抜けて、はるか上空まで届く確率はほとんど0である。

一方、電磁波で雲を作るには強力なエネルギーを必要とする。

それだけの電磁波が発生しているなら、地震の際に、人間ローストが出来てもおかしくはない。


つまり、上の理論はそれぞれには正しいのだが、あるところにトリックがあり、結局は嘘八百理論であることがわかる。

しかし、こうしたインチキにひっかかってしまう人が多いのも確かだ。



こうした、それぞれの理論は正しいが、結論に持っていく過程でトリックがあるものは、エセ科学だけではない。

著名な宗教のようなものにも、こうしたトリックがあるものがある。

ただ、宗教とはそれぞれが信じるものであり、それで幸せを感じているなら、まあそれもいいなかな、とも思う。

いけないのは、それを利用する側であろう。

また、許せないのは、それらを組織的恐喝などに使う輩である。