ヤマトタケルの話は、日本では珍しい英雄伝説です。
しかしながら、伝説上、いつどのあたり(大王との関係)の人物に設定されているのかは、たぶんあまり知られていないのではないでしょうか。
ヤマトタケルは、オオタラシヒコオシロワケ(12代とされ、後世、景行天皇とおくり名された)の次男ということになっています。
兄の返事が遅いというだけで殺したように、父親も恐れる乱暴者かと思えば、女に化けて踊ったり(暗殺のため)と、なかなか面白い話が多いのですが、大部分の映画や劇では、このあたりは割愛されていると思います。
さて、そんなヤマトタケルの記述を、記紀で比べてみよう。
先に挙げたイザナギ・イザナミの話同様、政治的な見方などをすると、なかなか奥が深いですよ。
★古事記の記述(意訳)★
「おばさん。聞いてくださいよ。絶対オヤジは俺のことを嫌いなんだよ。だから、やっと九州から帰って来たと思ったら、休む間もなく、今度は東の夷の国へ行けと言うのさ。これって、いじめじゃねぇ」
★日本書紀の記述(意訳)★
小碓命(おうすのみこと=ヤマトタケル)は、はっきり申し上げました。
「命に従い、必ずや征伐して参ります」