
ひげ男と言えば、私たち世代なら、カリブ海あたりの島国にいた男を思い出す人が多いだろう。
彼のひげは、日本ならほとんど全ての辞書、事典に載っているくらいよく知られるようになった。
ところで、この島国には共和国という名前がつく。
共和国とは、王や君主のいない国を意味する。
つまり、なんとか王国の反対側にある国の体制である。
しかし、現実には、こうした共和国と名のつく国の大半には、王様顔負けの存在がある。
また、日本語では、人民なんとかという名前のついた国もある。
私のイメージで僭越だが、こうした国の多くにおいては、人民は声を大にして自国について話すことは許されない。
民主主義という名前を冠した国名も見かける。
が、ここでは自分の意志で投票できないこともある。
いや、形だけの選挙の場合さえあるやに感じる。
国にNoと表明することは、人生をあきらめるに等しい場合もあるかも知れない。
連邦、合衆国、連合国。
こうした名称は、国がバラバラの政治をしており、やっと国の体裁を保っていることもあるだろう。
では、日本って?
標準的な世界地図(日本で売られている世界地図ではない)では、確かに日本は東の外れ。極東の名にふさわしい。
地図の中では、一番早く朝日が昇る地域の一つだ。
だから、日本=日の本は頷ける。
日の本が、緋の下(もと)や火の元にならぬことを願うばかりである。