人というのは、いや、生き物というものは、弱いところがあれば、なんとかそれを補強しようとする。
それは私にしても同じだ。
しかし、その補強があまりにも大げさであったり、自力で歩けないほどの鉄の鎧をつけてしまうことがある。
年を取るにしたがって、そうしたものは、結局自分の首を締めるものだ、と気づいてくる。
だから、早く自分で付けた足枷を外しなさいと、言ってやりたい場合が時々ある。
話は変わるが、この世界に入って丸2年が経った。
最近、この世界には珍しいことを目にした。
なんとはなしに笑みがもれた。よかったな、と。
身軽ならば、多少の溝を飛び越えたりもできよう。
しかし、年がら年中、鎧に花を飾っていては、北風の中を歩けまい。
せっかく接着剤で付けた造花が、風で飛ばされてしまうのを不安に感じてしまうからだ。
本当は、花など付けない方が良いのだが……。
そう言う私自身、裸になるのは怖いですがね(笑)。