失礼なこっちゃなあ | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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日本と韓国の間には、人物をニュースなどで紹介する場合には、相手国で呼ばれている発音に近い呼び方をするという約束のようなものがある。

例えば、大韓民国のニュースで、小泉さんはコイズミに近い発音で呼ばれる。
一方、金大中は、日本ではキン・ダイチュウではなく、キム・デジュンと読み上げられる。

(注:約束事がなされる前には、キン・ダイチュウと呼ばれていた。現在40代以上の方なら、知っているでしょう)

この決まりは、日本のパスポートで唯一渡航ができない、朝鮮民主主義人民共和国にも適用されているようで、金正日はキム・ジョンイルとなる。









一方、中華人民共和国との間では、各々の国の言葉に置き換えての呼び方だ。

張(中国普通語でチャンに近い発音)さんは、日本ではチョウさんと読まれることになる。
また、田中さんは、中国の中北部でなら、ディエン・チョンに近い発音で呼ばれるだろう。



まあ、ここまでは仕方のないことだろう。



しかし、日本の報道には、とんでもなく失礼な呼び方をしているものがある。


その筆頭は、アウンサンスーチーの呼び方だ。

日本のメディアは彼女の名前を、勝手にスー・チーなどと変えて呼んでいる。

もしこれが中国だったなら、名誉毀損で訴えられかねない。



ミャンマーには、スー・チーなどという苗字は存在しない。


いや、ミャンマーには苗字という存在自体がない。


アウンサンスーチーで、一つの名前である。


つまり、日本人が彼女をスー・チー女史などと呼んでいるのは、小沢さんをオッさんとかと呼んでいるようなものだ。




ひどい話である。


この辺にも、メディアの見方が見え隠れする。



アウンサンスーチーさんは、名誉あるアウンサンの名前が消されて呼ばれていることを、知っているのだろうか。



こうした、日本人には些細に思えることに、極めて厳しい判断をする国や地域、民族、宗教もあるだろう。





しかし、この感覚は、日本人には難しい。



大多数の人は、十字架のネックレスをしたまま神社・仏閣を訪れることに、全く恐怖も遠慮も感じないであろうから。




私も、そうした一人ではある。

が、少なくとも公的機関やマスメディアくらいは、相手の名前を作ったりはして欲しくはないものだ。