タンポポ属
カントウタンポポ(関東タンポポ)
見ただけでは、西洋タンポポとどう違うねん?
と言われてしまいそうなこのタンポポ。
街中でよく見るヤツとちいとばかり違うのです。

はい、裏側から見てみましょう。
まずはセイヨウタンポポ。

そして、こちらがカントウタンポポ。

分かりましたか?
はい、花を包む襟首がそっくり返っているのがセイヨウタンポポ。
ギュッと首を包み込んでいるのがカントウタンポポです。
セイヨウタンポポは、花が咲く前からそっくり返っていますが、カントウタンポポでは、花がしぼんだ後も首に張り付いています。

稀に花が白い、シロバナタンポポを見つけられますが、この花の首周りは、セイヨウタンポポとカントウタンポポの中間くらいです。

さて、植物の和名(日本の学界で使われる名称のこと。なお、これを学名と勘違いしている方が多い。学名はラテン語なので、専門家やマニアを除けば、まず知られていない)や俗称には、国の名前が入るものがたくさんあります。
これは日本に帰化した時期が、比較的新しいことを暗示しています。
よく知られているものを、何点か挙げましょう。
アメリカセンダングサ
秋になると、空き地などに繁茂しているキク科植物です。
実の先端がカニのハサミのようになっていて、よく衣服に付きます。
子どもたちが実の部分だけを取って、相手のセーター目がけダーツさながら投げて遊んだりします。
オランダイチゴ
シナチク(支那竹)
トルコギキョウ
ジャガイモ(ジャガタライモ)
ジャガタラはジャワ、つまり今のインドネシア。
ナンキンマメ(南京豆)
テンジクボタン(天竺牡丹)
ダリアの別称
天竺とはインドのことですが、ダリアがインドから帰化したかどうかは眉唾物。昔は帰化植物に対して、やたら天竺とか支那を用いています。
つまり、この場合の天竺とか支那は単に“外国から来た”の意味でしょう。
なお、北海道と本州以南、及び沖縄地方では、似てはいますが種類が異なることが多く、北海道や高山特有の場合にはエゾ(蝦夷)やミヤマ(深山)を、沖縄地方特有の場合にはリュウキュウ(琉球)などの名前が入ります。
エゾムラサキ(桃屋の江戸紫ではありません。ワスレナグサの仲間です)
リュウキュウバライチゴ
など
さらに、ごく限られた場所にしか見られない時には、代表する地方(山の名前が多い)の名前が入ります。
ハクサンフウロウ
シラネアオイ
ハヤチネウスユキソウ
レブンソウ
コウシンソウ
タテヤマリンドウ
などなど。