街中植物図鑑:へい、あっしは生まれも育ちも関東で | しま爺の平成夜話+野草生活日記

しま爺の平成夜話+野草生活日記

世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
★写真をクリックすると、解像度アップした画像になります。

キク科
タンポポ属
カントウタンポポ(関東タンポポ)


見ただけでは、西洋タンポポとどう違うねん?
と言われてしまいそうなこのタンポポ。

街中でよく見るヤツとちいとばかり違うのです。




しま爺の平成夜話-201004111339000.jpg


はい、裏側から見てみましょう。


まずはセイヨウタンポポ。


しま爺の平成夜話-201004111405000.jpg




そして、こちらがカントウタンポポ。


しま爺の平成夜話-201004111338001.jpg



分かりましたか?

はい、花を包む襟首がそっくり返っているのがセイヨウタンポポ。

ギュッと首を包み込んでいるのがカントウタンポポです。


セイヨウタンポポは、花が咲く前からそっくり返っていますが、カントウタンポポでは、花がしぼんだ後も首に張り付いています。



しま爺の平成夜話-201004111339001.jpg






稀に花が白い、シロバナタンポポを見つけられますが、この花の首周りは、セイヨウタンポポとカントウタンポポの中間くらいです。


しま爺の平成夜話-201004111345000.jpg




さて、植物の和名(日本の学界で使われる名称のこと。なお、これを学名と勘違いしている方が多い。学名はラテン語なので、専門家やマニアを除けば、まず知られていない)や俗称には、国の名前が入るものがたくさんあります。


これは日本に帰化した時期が、比較的新しいことを暗示しています。


よく知られているものを、何点か挙げましょう。


アメリカセンダングサ
秋になると、空き地などに繁茂しているキク科植物です。
実の先端がカニのハサミのようになっていて、よく衣服に付きます。
子どもたちが実の部分だけを取って、相手のセーター目がけダーツさながら投げて遊んだりします。


オランダイチゴ


シナチク(支那竹)


トルコギキョウ


ジャガイモ(ジャガタライモ)
ジャガタラはジャワ、つまり今のインドネシア。


ナンキンマメ(南京豆)


テンジクボタン(天竺牡丹)
ダリアの別称
天竺とはインドのことですが、ダリアがインドから帰化したかどうかは眉唾物。昔は帰化植物に対して、やたら天竺とか支那を用いています。
つまり、この場合の天竺とか支那は単に“外国から来た”の意味でしょう。




なお、北海道と本州以南、及び沖縄地方では、似てはいますが種類が異なることが多く、北海道や高山特有の場合にはエゾ(蝦夷)やミヤマ(深山)を、沖縄地方特有の場合にはリュウキュウ(琉球)などの名前が入ります。

エゾムラサキ(桃屋の江戸紫ではありません。ワスレナグサの仲間です)

リュウキュウバライチゴ
など



さらに、ごく限られた場所にしか見られない時には、代表する地方(山の名前が多い)の名前が入ります。
ハクサンフウロウ

シラネアオイ

ハヤチネウスユキソウ

レブンソウ

コウシンソウ

タテヤマリンドウ

などなど。