しま爺の妖しのことわざ辞典 ★ ひ ★ その1 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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【ひそみに倣(なら)う】
・中国の三大美人の一人である西施(せいし)は胸を患い、よく眉をひそめていた。 そんな姿がまた美しいということになる。
それを聞いた美人ではない田舎者が、眉をひそめては、西施を真似たという。
まあ、身の程知らずの猿真似をいうようだ。

ところで、中国の古い書物に出てくる傾国(国を傾けるほどの美人ということ)を調べてみた。



まずは妲己(だっき)。
殷王朝が倒れる元となった紂王(ちゅうおう)の妃かなにか、とにかく愛人の一人である。
実は妲己は、殷を潰すための道具として、生まれる20年くらい前から、のちの周王により計画的に生まれ育てられた女だった。

酒池肉林という有名な言葉も、この妲己に深く関係する。
妲己が、紂王をそそのかして始めた遊びだからだ。
妲己は、自分がどのような道具であるのかを知っていたらしい。





褒ジ(ほうじ:ジは女偏に以)
美人だが、決して笑わぬ女。
それが彼女だった。
が、外敵の侵入を知らせるのろしに、兵たちが右往左往するのを見て初めて笑った。
これを知った王が、あえて誤ったのろしを何回もあげさせる。

後に、本当に外敵が侵入してのろしを上げたときは、もはや信じる兵はなく、あっけなく国が消えた。
狼少年の原典かも知れない。





その他は、初めに挙げた西施。
虞美人、楊貴妃などというのが、中国を代表する美人だろう。



ただし、中国の美人話には、身の毛もよだつような恐ろしい話もある。

アメブロにはふさわしくない記事になるから、ソフトな表現にすれば、嫉妬した女が恋敵を豚のような体にしてしまうこと、それを知った将来王となるはずの息子が、自ら命を絶ってしまう話など、さすがに大きな国だけあり、残酷な話も桁違いのものが多い。





ああ、一つの言葉だけで長くなってしまった。


今日はこれまで。