錬金術と算術 ある妄想小話 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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かなり時間がある(昨夜のペースだと30くらい記事が書けそう)なので、あることないこと、あれっ?と思っていることなどを綴っていきましょう。



金貨というのは、紙幣に比べて偽造が簡単ですから、表示価格は重さから換算した金取引価格よりも安くするのが常識です。


現在の金相場は、1グラム3300円くらいですから、30グラムの金貨の実際の価値はおよそ10万円です。



ところで、かつて怪しい話が広がった金貨がありました。


これは、日本が戦後初めて製造した金貨です。

20グラムで、表示価格は10万円。
当時の金相場は、グラム1500円から2000円。
一番高い2000円としても、金としての価値は4万円。

紙幣のように、印刷に特殊技術が必要だったりはしません。
多少ギザギザに工夫を入れたとはいえ、香港の技術者ならなんでもありません。
私がまだ新入社員だったころに、香港の下請け業者(ただし、日本の金持ちとは桁違いだが)でさえ、三次元立体再現加工機を持っていました。


金は、身近な金属では、加工が最もしやすい金属と言っていいでしょう。


実は、金貨の偽造は簡単ですから、世界の各国では、表示価格の方が、重さでの実勢金価格より低くするわけです。

だから、クルーガー金貨のように、金実勢価格よりはるかに低くして、偽造しても儲かりませんよ、とするのです。




ところが、あの金貨は、当時の金実勢価格の2倍以上。

あの金貨の偽物を作るのと、東南アジアでよく見るマイルドセブンやレミーマルタンの偽物を作るのと、どっちが難しいでしょうか。



この金貨の発行枚数1000万枚。


粗利5万円として、5000億円かなあ。






ところで、この金貨。

世界全体で何万枚あるのでしょうか。


まさか、3000万枚とか4000万枚とかいうことはありますまい。


とにかく、製造枚数より多いはずは、普通に考えたらあり得ない話ですから。





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