
心を形で表すとどんな形?
というネタがあった。
今回はそれが音楽になった。
あと、3ヶ月もすると、“あなたのハートは何色?”とか、“あなたのハートは℃”とか、“あなたのハートは何時代?”なんていうネタが出てくるのだろう。
ここでいうハートとは、おそらく心のことで、ハツのことではないだろう。
また、心臓付近にあって、心が弾むときにはドキドキし、つらい時には痛みを感じるものに相違あるまい。
つまり、カチオンがどうのアニオンがどうの、電位差がどうのといったものではない。
それではあまりに味気ないし、出題者自身もそんなことは頭の片端にもないだろう。
さて、では、そのハートとやらを音楽ジャンルに喩えるという件だが、これが大変難しいのだ。
こんな例を挙げよう。
“あなたの川のイメージは?”と聞かれたとする。
日本に住んでいる人の多くは、川は透明か水色(薄く白の混じった青)、あるいは渓谷の深緑色の川か、都会の濁った灰色の水の流れを思い浮かべ、さらに清らかさとか恵みとか、あるいは洪水とかに結びつけていくだろう。
ところが、国によっては川とは黄土色であったり、赤茶色であったりするばかりか、世界の何十億という人たちは、おそらく私たち日本人がイメージしている川を知らないか、川という言葉自体が存在しない。
だから、川のイメージというものは個人個人で全く異なるものとなるか、理解できない。
音楽もしかりだ。
ロックに、破壊的な激情な歓喜を感じる人もあれば、やすらぎを感じる人もいるだろう。また、ロックとポップ、カントリーの違いがわからないこともあるだろう。
老人の多くにとっては、横文字音楽は、ただただうるさいだけかも知れない。
見方を変えて、“あなたはバスク語と満州語とベンガル語の、どれが一番好きですか?”にすれば、このネタの難しさがわかるだろう。