
なんか、いい手はないかね?
ありますとも、ありますとも。
チンパンジーに、バナナを与えてやればいいんですよ。ちょっとばかり砂糖をまぶしてね。
いや、公にそれはまずい。我が国のメンツもある。
何をおっしゃりますか。この間まで、海賊船の船長をやっていた親分が。
これ、言葉が過ぎるぞ。 何度言ったらわかる。親分じゃない。国王だ。
へへっ、親分。じゃなかった。国王様。
それじゃ、バナナ売りに適当なヤツを見つけましょ。まだ、昔の稼業をやってるヤツに、サル山の大将になれるぞとでも言えば、喜んで引き受けますよ。
で、分け前は半々で?
いや、7:3だ!
えっ?ずいぶん気前がいいですね。取り分を半分以下にするとは。
ちがう。ワシが7だ。
ヒエーッ。さすがに元親分。血も涙もない。あっしの懐に入る分まで減らすおつもりで?
ボッタクリですな。
いやなら、お主には頼まんが。
いいえ、承ります。
で、頭のいいサルが、砂糖入りと気づいたらどうなさるおつもりで?
簡単だろ。花火の2、3発打ち込んでやればいい。
それでもダメな時は?
いや、砂糖付けバナナの味を知ったチンパンジーは、いずれ骨無しになる。心配には及ぶまい。
で、アレを?
ああ、ヤツらは9という数字に弱い。99年間は借りるという形にすればよい。まあ、99年というのは、フォーエバーという意味じゃがな。
全く悪知恵の働く親分で!失礼。王様だ。
まだまだ、あっしなんざ、足下にも及びませんな。
