
私の祖母から、祖母の祖父の若い頃の話として聞かされたから、おそらく明治維新前後の話でしょう。
彼は2里(約8キロメートル)ほど離れた親戚から、一抱えではおさまらない大きさの瓶(かめ)をもらってきた。
縄でしっかり背中にくくりつけ、えんやらえんやら家まで背負ってくる。
やっと家に着いた。
ほっとしたのか、彼はドスンとばかり腰をおろす。
と、ガチャンかバリッという音がしたかどうかは知らないが、二里の田舎道を細心の注意を払って背負い運んできた瓶が、パカリと割れてしまった。
うーん。
わがご先祖様らしいお話であることよ。