
亀仙人。
ということで、背中に『亀』でしょうな。
あるいは、カッパ族になってしまうおそれもあり、『童』という文字も考えておかなくてはならないでしょう。
さて、話は変わりますが、
亀(カメ:kame)に関する面白い推論をご披露しましょう。
結論から言いますと、カメはどうも南洋から伝わった言葉らしい、と私は拙著『ことのは呪縛と源』の中で述べています。
簡単に説明しましょう。
南太平洋、ハワイとオーストラリアの間あたりには、フィジーとかトンガなどという、日本ではお相撲さんで知られる島国が点在しています。
ポリネシアと呼ばれる地域で、サモアもこの中にある島国です。
この地域は古代エジプトや中東の言葉と比較するとたいへん面白いのですが、ここでは日本語のカメに絞って話を進めましょう。
サモア語でカメはlaumeiです。
日本語や朝鮮半島で使われる古代の言葉には、『ラ行音から始まる単語がない』という特徴があります。
つまり、極東アジアの古代人は、ラ行音を頭に持ってくることを嫌うのです。
おそらくこれは、日本語などでは動詞の終わりの大半が『る』で終わることと無関係ではないと思われます。
では、ラ行音頭の言葉が日本語になるとどうなるでしょうか。
国語辞典を見てください。
『カ行』が多く『ラ行』がたいへん少ないのが分かるでしょう。
古語辞典では、この傾向は一層顕著になり、古語の半数が『ア行』『カ行』『サ行』で始まる言葉で占められ、『ラ行』はほとんどなし。中国語由来の言葉を除くと全く見つけられなくなるはずです。
さらに、同じように中国語など、明らかに近年入ってきたであろう言葉を除いていくと、『カ行』音がたいへん多いことに気づくはずです。
こう考えますと、laumeiはkaumeiになる可能性が極めて大きいのです。
つまり、
ラウメイ
↓
カウメイ
↓
カメ
ということですね。
なお、カメと言えばウサギ。
これも南洋由来と思われます。
が、長くなりますから、このへんで。