「相棒」の裏だっつーのに…
水谷豊先生(既に弟子)を裏切ってまで観ちゃったよ、ジロチョーをさッ!

えっと、色々とごたくを並べる前に言っておきましょう。
二回ほど萩原聖人で泣かされたのは、はい僕でございます!!
えーもう、堂々としたもんですよ。
脇も隠さず真っ直ぐに諸手を挙げますぜ。

だってね、言わない喚かない巻き込まない、それでいて仁義を通す。
そんな実直な役柄だった訳ですよ、萩原聖人演じる小政という男はさ…
あ ま り に も 真 っ 直 ぐ 過 ぎ て 胸 が 痛 い ッ ! !


次郎長一家は、親分の清水次郎長(中村雅俊)の他に…
大政(内藤剛志)→小政(萩原聖人)→鬼吉(真木蔵人)→綱五郎(袴田吉彦)→法印(木下ほうか)→森の石松(中村獅童)
という実力の並びで、六名の部下が備えていて。
姐さんである二代目お蝶(黒谷友香)を加えた計八人で、清水の町を仕切っておる訳。

どう表現したら良いか分からないが…いわゆる任侠稼業、で良いのかな。
義理・人情・仁義に厚くて、清水の町人の為にひと肌脱いでくれる器の大きさ。
余所者のヤクザが来ても、圧倒的な強さで追い払って、町人からの信頼は絶大。

まーそんな筋が真っ直ぐ通ったイイコチャンな次郎長一家ですから。
良く思わない人間はごまんとおり。
石松は騙し討ちにあって、殺されてしまう。

この石松殺しの立ち回りってのが、まー壮絶で。
一回倒れても、立ち上がって暴れて、「化け物だ」って言われてもまだ死なない。
だけど石松は生きようともがくけれども、刀を抜いてまでは抵抗しようとしないんだよね。
相手に一向に斬りかかろうとはしない。

それはもちろん、次郎長一家・次郎長との堅い約束があるからなのさッ!
初代のお蝶(小嶺麗奈)が死ぬ間際、もう人殺しはしないで欲しいと次郎長に懇願して。
それを家族である一家みんなで遺言を守り抜こうと堅く誓い合い。
石松はそれを馬鹿正直に守り抜いて、約束は果たすけれども命を落とすんだよね。

命 に 代 え て も 、 
男 と 男 の 約 束 を 守 り 抜 く っ て ぇ 奴 で す わ 。
クゥゥ~ッ!!!!


んでさ、遺体が戻ってきてからの小政の行動がね、堪らんのさ。
刀の封が解かれてなかった事で、皆の中にやるせなさが生じるんだよね。
で、小政が最初に席を立つ。
居合い抜きの天才で、クールな一匹狼色の強く、冷静沈着。
と思いきや、誰も居ない所で小政は声を上げて、仲間の死を悼んで泣くんだよね。

そこでヒト泣き、貰い泣きするぢゃん!

で、皆も各々悲しみとやるせなさを噛み締めつつ。
葬儀終了、いつ敵討ちをしに行くんだって浮き足立った気持ちの中、次郎長が放ったのが。

「解 散 ! !」(C)ホームレス

一家を畳む事を決意するのだよ。
もちろん、皆反論はあるけれども、魂の抜けてしまった次郎長から離れてしまう訳でね。
そこで小政は何も言わず、単身清水を離れるのさ。
小政が泣いてたのを唯一目撃していた法印は、一人で乗り込む気なんじゃないかと思って。
心配で後を尾けて行くんだけど…
「さすがに俺も大勢を相手にするつもりはない」って復讐を否定するんだーなぁ。

でもそれがフェイクなんだよー!
法印がどっぷり寝ている時に、「達者でな」って乗り込んでしまうんだ!
罠 上 等 と ば か り に さ … ! !

待ち構えている黒駒の勝蔵(佐野史郎)、100対1の卑怯な戦いにも、上等だとばかりに向かっていく小政。
鉄砲の弾を浴びながらも懸命に進んで、撃たれても立ち上がり、立ち上がり…
崩れ落ちるようにして果ててしまうんだ、これが。
駆けつけた次郎長や法印と、坂本龍馬(池内博之)によって助け出されるものの。
次郎長に背負われながら、小政は謝罪し「俺って馬鹿だよな」って笑いながら、事切れる。


う、う、う…………うぉぉぉぉぉぉーッ!!!!!!!!!


てなもんですよ!!!
それが腑抜けになっていた次郎長の心に火を点けるんだけど!
僕はもうココでMAX迎えちゃったんだよね、「こーまーさぁーッ!!!」ってさ。
誰にも頼らずに、約束を破る事も厭わずに、自分の命も省みず、不本意な死を遂げた仲間の為にッ!!!
ただただ、動かなければ気が済まないって言う、男気たるやもうさぁ……

はて、こんな場面で僕に、こんな事が出来るだろうかと!
胸に問いかけるほどに、熱く燃え滾ってしまったわぃ!!


いや~凄かった、萩原聖人にヤラれちゃったな~。


あ、ちなみに僕が前回危惧していた視聴率はー…













はい来たッ!!
6.2%~
イマイチ以下~♪ワラ

相棒が15%台だったからなぁ、まぁ不利だよなぁ。
てか、もしかして…次郎長ドラマ…世間からは完全にノーマークなのか…ッ!?

萩原聖人の熱演を返せぇぇぇッ!!!ワーンワーン


あとね、宝生舞が出ると思っていたのに…
黒谷友香のさらし姿での殺陣姿が見られると思っていたのに…
二人の絡みが、CM以上のど迫力で 見 ら れ る と 思 っ て い た の に …

な、無かった……

焦点は完全に仇討ちメインだったからなぁ…
そういう点の華やかさには欠けたかもしれない、かな。
もっと本格的な襲撃や仇討ちの他に、サブキャラとの小競り合いとか欲しかったな~。
次郎長の荒んだ歩みが多くて、ちょっと中だるんだ節もあったし。

まぁ萩原聖人にヤラれたとは言えども、部下全員の個性が面白くども。
話が進むスピードが若干緩かったのもあって、刺激的では無かったかな。
CG駆使!という謳い文句も、実はCMで観ていた部分と格闘シーンが主で。
町のシーンは普通だったからな~…残念、残念。

ま、何度も言うけども萩原聖人には完敗だったゆえ。
総合的には期待していたほどでは無かったものの!
良かったんぢゃないかな。



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【詳細】

TX「ジロチョー 清水の次郎長」
2010年1月13日(水) 21時00分~22時48分OA

脚本:具光然
演出:グ・スーヨン

【あらすじ】

世は幕末の動乱期、清水次郎長は、海道一の親分と呼ばれ義理と人情に厚く誰からも慕われていた。
その子分は、個性的で、強豪ぞろい。
元侍で槍の達人、その上頭も切れる大政。
居合い抜きの天才・小政。
義理人情に厚く、酒癖が悪く喧嘩がめっぽう強い暴れん坊・石松。
色男で女好き、喧嘩場では冷静沈着な網五郎。
馬鹿力で喧嘩場には自分用の棺桶を持参、常に死ぬ気で戦う・鬼吉。
おっとりとした性格で、関西なまりの元坊主・法印大五郎。
そして、次郎長の女房・お蝶。

次郎長一家は、清水の町を愛し、町民からも愛され、町の平穏を守っていた。
そんな中、沼津の甚五郎一家が清水を狙っているという噂を聞きつける。
その黒幕には、次郎長の宿敵・黒駒の勝蔵の姿があった…。


【出演者】

清水次郎長…中村雅俊
小政…萩原聖人
法印大五郎…木下ほうか
桶屋の鬼吉…真木蔵人
関東綱五郎…袴田吉彦
森の石松…中村獅童
お蝶…黒谷友香
黒駒の勝蔵…佐野史郎
大政…内藤剛志

初老の商人…笹野高史
お菊…前田愛
お千…松尾れい子
坂本龍馬…池内博之
都鳥吉兵衛…中野英雄
初代お蝶…小嶺麗奈

五王四郎
山本浩司
加瀬尊朗
長江健次
菅田俊
加瀬尊朗
和田聰宏
嶋田久作
大勝みゆき
野添義弘
山崎大輔
島津健太郎