春の嵐が吹き荒れた次の朝、庭に出てみると、早くもさくらんぼ
の花が、庭のあちこちに、うすくれないの花びらを散らしていまし
た。たった一本のさくらんぼの木から散りゆく花びらは、雪と見ま
ごうほどの清らかさでした。
春眠暁を覚えず 処処啼鳥を聞く
夜来風雨の声 花落つること知る多少
春になると、朝の寝覚めのうつつが心地よくて、なかなか起きら
れないことがありますね。なんとなく定まらないこの季節になる
と、高校の時漢文の時間に習った「春眠暁を覚えず」(春暁)
の詩が浮んでくるのです。
そんなある日、
たまたま読んだ雑誌で、睡眠についての面白い記事を見つけま
した。そのタイトルは「『睡眠負債』、こまめに返済しよう」
睡眠にも負債が?
チェルノブイリ原発事故やスペースシャトル爆発事故などの歴史
的大事故は、担当者の睡眠不足による居眠りや判断ミスにが原
因だったという話から・・・
が5時間しか眠らなかった場合、3時間の睡眠負債になるという事
です。休日に3時間づつ多く寝て、負債を返済していく、ただし、
人間の脳は2週間単位で睡眠を記録しているので、2週間という
期限付きで返済していかなければいけないのです。
そう言われても、なかなか思うようには行きませんね。
睡眠は一度に続けてとらなくても昼と夜に半分ずつ分けてとる
「分断睡眠」でも、全く健康上問題がないという事なので、夜、な
かなか眠れない私は、少しほっとしました。
睡眠時間は人間も動物も個人差があるようで、因みに、ナポレオ
ンは3時間、ダヴィンチは90分、アインシュタインは10時間・・・・
キリンは20分、ナマケモノは23時間、イルカにいたっては片方ず
つ脳を休めるだけで、睡眠時間はなんと0分!
この記事を読んで、何日か続けて早寝早起きを試みました。と言
っても、夜12時過ぎに寝たのですが、夜中の3時にはもう目が覚
めてしまいました。次の日は夜中の3時に、、、目が覚めたのが
朝6時、何時に寝ても3時間睡眠ということになってしまいます。
これは歳のせいですね。
幸い、時間に縛られない私には、昼寝という強い見方が・・・。
個人差はあるといえ、人間は人生の三分の一を眠って過ごすこと
になります。五十を過ぎ、あっという間に六十歳に、いまや限られ
た時間の中で、眠ることと、目覚めることの不思議さに改めて気
づきました。なんとなく過ぎてしまう、今日一日。
「目覚め」という「生」、「眠り」という「死」の繰り返しのなかに、私た
ちは生きているのだと思うのです。
生と死の違いは?
明日の朝目覚めるか否か。
幸せとは今日を精一杯生き、何の不安もなく明日を迎えることな
のかも知れない。朝の目覚めだけに限らない、この「目覚める」
という言葉の意義、なにげなく使っているけれど、なかなか奥が
深い、と私は思ったのですが・・・。


