高校三年生の時、秘密のデートをしたことがあるニコニコ

 

その日は、彼氏のYの祖父のお葬式があった

 

普段は私とカズが二人になることを激しく怒るYが、その日はカズに私を一緒に連れてきてくれ

と頼んだのだ

 

カズもよくYの祖父の家に行っていたため、出席することになっていた

 

二人で電車で向かい、駅からはなんとなく少し距離をあけて歩いた

やはりYが外まで迎えにきていた

 

お葬式が終わり帰るとき、Yが「まっすぐ帰れよ、どこにも寄るなよ」

と念押しした

 

帰り道もまたなんとなく距離をあけて駅まで歩いて、電車に乗った

乗ってからやっと、二人だけでいるという開放的な気持ちになった

 

 

とりとめのない話をしながら、電車に揺られているうちにどちらからともなく

ちょっとだけお茶しようか、という流れになった

 

お葬式のあとに不謹慎だが、カズと寄り道できることになって嬉しかった

 

最寄りの駅ではなく、途中下車バス

 

同級生に見られるとまずいと思ったから

 

いつもは電車に乗りながら見かけるだけのファミレスに、今日はカズと入るニコニコ

 

カズは大人っぽくホットコーヒーコーヒー

 

私が何を注文しようか迷っていると、カズが

 

「外、暑かっただろ?これいいんじゃない?」

 

とかき氷をすすめてきた

 

私は素直に注文さくらんぼ

 

本当に本当に、不謹慎だけれど、電話ではなく直接会える二人の時間が嬉しかった

 

味は正直忘れてしまったけれど、かき氷は覚えている

 

虹のように奇麗な色のかき氷で、すごくおいしかったことおねがい

 

そして二つの気持ちが心の中をぐるぐるしていたもやもや

 

ひとつはYから電話が来ているかもしれないという焦り

 

もうひとつは、もっとここでカズと話していたいという気持ち

 

いろんな複雑な思いを嚙みしめながら、虹のようなかき氷を頭がキーンとなりながら

 

食べた

 

今でも二人であの時の話をすることがある

 

 

こんなにはっきり覚えているほど、ドキドキしながら過ごしたファミレスだったニコニコ