今夜、泊まりをお願いしている芦田さん・・・

彼は35歳位かな?

半年前にこの家を購入して、今は彼が1人で住んでいる。

大変広くて綺麗、まだ家具もあまり置いてなく、そこで今夜はお世話になる。

前川さんが「彼は今は1人で住んでいて、泊まってもいいと言うから泊ったらどうですか」と紹介してくれた。

彼は前川さんの教え子だという。

会うと、どうぞ遠慮なく泊ってくださいと言ってくれた。

そして、こののちありえない驚くほどの出会いがあった。

なんでこんなにも不思議な出会いがあるのだろうか。

 

4人で鉄板を囲みながら野菜や肉などに箸を動かしていた。

そのうち私はいつものように、なぜ、どうして、とおせっかいに聞く癖が出た。

私・・・「一人で住むには、大きすぎるね。掃除も大変だね」

彼・・・2年3年もすると両親が来るんですよ」

「両親が来る?2年3年?どうしてすぐに来ない」

「両親は東京でお寺をやっていて、跡取りを探しているんですよ。私は継ぎたくないし・・・跡を継いでくれる人が見つかったら、ここに引っ越してくるんですよ」

私・・・「東京でお寺。それはどこ?」

彼・・・「世田谷でお寺をやっています」

世田谷でお寺・・・まさか。世田谷なんていくらでも寺はある(私の誰にも聞こえない独り言)

「世田谷でお寺?・・・なんというお寺」

「清雲寺といいます」

「なんだって。清雲寺。それじゃ、お父さんケンちゃんじゃないか」

あまりの奇怪な縁に声も出ない私

ありえない。こんなことあるのかと驚きを通り越す・・・こんな偶然なる出会いがあるんだろうか。

そう彼がまさか若い頃の親友の息子だとは思いもしなかった。

「私はお父さんはよく知ってるよ。学生時代の仲間だよ。」

と言うことで私は彼のお父さんのことを話し始めた。