急傾斜を斜め(斜滑降)に下りはじめ、ターン1回目、ぐるっと回って止まった。

2回目、ターン、ぐるっと回って、軽く手をつきバタンと転ぶ。

軽く、優しく、穏やかに・・・

なんだ、繰返せば何とか下に降りられるではないか。

昔のように・・・

3回目のターンに入る前、スピード度がどんどん出た。止まらない。

大丈夫、昔はこんなこと良くやっていた。構わずターン態勢。それを失敗。

雪面に右の顔面を強打した。

一瞬、すごい火が出た。

火というよりも、青と白、星が花火のように中心から一瞬に四方に広がった。

「ワッーきれい」それは1秒の何分の1の世界だろう。

本当に大きな光、それは星、ダイヤ、光るガラスのカケラが、ぱっと飛び散ったよーでもあった。

 

同時にしまった。やばい。大変なことになったと一瞬思った。

どうしよう,こんなことになって。

怪我、事故を起こしてしまった。

 

落ち着いて・・・まず手袋をとって、右の顔に手を当ててみた。膨れているようだ。

それより、右目の下が切れている。

血が出てることは間違いなさそうだ。

どれぐらい出ているか手を見ても、わからない。おそらく指は赤く染まっていることだろう。

雪の中だから、少しはショックは和らげられた、とは思うが。・・・

 

子供、おそらく小学生のころだと思うが、ボールが目の近くの頭にあたったことがある。

その時も火が出た記憶があるが、今回ほどきれいではなく、2,3星が出た程度だと記憶している。

それ以来の世界・・・これは生まれて初めての事かもしれない。

視神経に強い機械的刺激を受けると、視覚中枢に、その刺激は光として伝わる。ということだろう。

 

これから、どうしよう。転んだままの態勢で考えた。

この急斜面を、もう降りらないかもしれない。

また降りて転んで星が光るなど、すごく綺麗だが、もう何度も経験しなくていい。

それでも降りるしかない・・・かな・・・

困って考えていると、後から来た4人組が私を心配して、声をかけてくれた。

4人とも外国人、私の言うこと、向こうの言うことが、お互いわからない。

 

日本語であれば、

大丈夫か。

怪我はどうか。

手足は痛くないか。

これから1人で降りれるのか・・・そんなことを言っているのではないだろうか。

 

心配して、4人でどうするか、いろいろ相談しているようだった。

 

1人が私の怪我した顔を、ゆっくり見て、その見方が、この人は、医者かもしれないと思った。

そんな感じの見方だった。

 

さぁどうやって降りるか。

私は身振り手振り、足振り?で歩いて降りる格好をしたが、歩けるような勾配ではなかった。