でも、続きます。の続き・・・

さて、さっきの「うるさい」と言った人のことだが――。

私は夜、寝ながらヘッドホンで本を聴いている。ちょうど今、〇〇という本を聴いているのだが、これは親切にした人、親切にされた人、そういう人たちの話がいろいろ出てくる本だ。(書籍名 思いやりの心)

その中に、嫁いだ先で姑から、かなりひどいことを言われていた女性の話があった。

「死んじまえ」とか、「バカ」とか、「馬鹿野郎」とか……。

そんなことを言われ続けて、その女性は精神的にかなりまいってしまい、とうとう医者に相談した。

すると医者が、こんなことを言ったそうだ。

「その姑さんが言っているんじゃないんですよ。その言葉は、姑さんの病気が言わせているんです」

その言葉を聞いて、その女性はずいぶん気持ちが楽になったという。

「ああ、姑さん自身が私を憎んで言っているんじゃない。病気がそう言わせているんだ」

そう思えるようになってから、少しずつ姑との関係もうまくいくようになった、という話だった。

それを聴いていて、ふと思った。

そうだなあ……。

私の隣で「うるさい」と言った人も、最近の様子を見ていると、何かしら体調や心の状態に変化があるのかもしれない。

普段から聞いていると、絶えず怒っているような声が聞こえてくる。

誰に向かって怒っているのか。

ヘルパーさんしかいないから、ヘルパーさんに言っているのか。

それとも、誰に言うでもなく、一人で文句を言っているのか。

目の悪い私には、様子が、よく分からない。

ただ、何かはっきりした理由があって怒っているというより、意味もなく怒っているように聞こえることがある。

もしかしたら、本人の性格だけではなく、何か病気や体調の変化があって、そういう言葉が出てしまうのかもしれない。

そうか……。

私に怒っているんじゃないのかもしれない。

誰かに怒っているわけでもないのかもしれない。

病気や心身の状態が、そう言わせているのかもしれない。

そう考えると、少し気持ちが変わってくる。

「うるさい」と言われても、言い返すことはない。

「ああ、何かつらいものを抱えているのかもしれないな」

そう思えば、腹を立てることもない。

むしろ、少し同情してあげてもいいのかもしれない。

そう考えると、隣の人の「うるさい」という言葉も、前ほど気にならなくなった。