その11

一眼メガネは、ビックリ箱

片目の視力が無くても、悪くないと思うことも、少しはあった。

勿論、特別に良いわけではないが、便利だと思うことがあったので、それをお話したい。

50歳超えても、良い方の、左目の視力は1.2辺りはあり、何不自由はなく見えていた。

しかしここ数年少し、あやしくなってきた。

まず新聞の字・見えなくはないが、少し見にくい。

それでもほんの少しの見えにくいのを我慢して生活していた。

ところが我慢して見ていると、それは眼が緊張していることで、眼が疲れることだとラジオで放送していた。

それを聞いて老眼鏡を買うことにした。

安売りメガネ店で2000円程度の老眼鏡を買った。

それを使えば、新聞も読みやすい。

 

ある時、寝ながら本を読んでいてメガネを外して床に置いた。

その後メガネの事は忘れてしまい、さて寝ようと横になった。

そのとき‘バリッ’と音がした。

「あ!しまった。メガネが背中の下だ」反射的に背中を持ち上げたが、そんな時は決まって遅いものだ。

メガネは右のレンズが、はずれ全体に少し歪んでしまった。

歪みは手で治し、右のレンズだけで、問題なく使えた。

そんなメガネを掛けて、しばらくして、良い事に気が付いた。

右目のレンズは無くて問題ない。

無い方が都合いいぞ。

その後、歪んだメガネを眼鏡店に持って行った。

メガネ屋の店主は私のメガネを見て「このレンズで眼は疲れませんか」と言った。

レンズは安物であった。

この時、眼のためには、良いメガネを買ってもいいなと思った。

そこで「良いレンズはいくらしますか」

「右目はほとんど見えないので、左目のレンズだけ、あればいいのですが…」

「レンズ、片方だけでいいですか?」

店主…「片方だけで構いませんよ」

店主…「ただ、人から見れば、おかしいと思われるかもしれませんが…お客さまが一眼で良いとのことであれば、それはそれでよろしいのですが」

 

そんな訳でレンズは左目のみ、値段は勿論半額

少しオーバーに言えば1つ買う値段で2つ買えたことになる。

レンズを拭くのも手間が半分、これは結構便利であった。

新しい発見でもあった。