荷物を付けて、すぐ自転車にまたがって、ここを離れた。

先程のキャンプ場を見ながら、通り過ぎ、真剣に10分20分と走った。

ここまで来れば、あの人とは顔を合わせる事はないだろう。

かなり急いで走ったので、息はだいぶ切れていたが、次第に普通の走りに戻した。

今日は九州南端、佐田岬まで行けるだろうかと考えていると・・・その時であった。

後ろから、けたたましく、クラクションの音がした。

降り返ると白い軽トラだ。

まずい、あの人か、またトラブルか。

自転車では逃げ切れない、私は自転車を止めた。

すると軽トラは私の横に来て、止まった。

運転席から顔を出したその人は。

「おい乗って行かないか」顔を見ると、昨夜、居酒屋で一緒に酒を飲んだ人。

よかった。トラブルではない。

渡りに船、とはこのことか。

「これからは、かなりの上り坂だよ。上り坂の上、近くまで行くから乗って行くといいよ」

乗ります。乗ります。

軽トラの荷台に自転車、荷物も乗せて、私は助手席に座った。

鼻歌独り言・・・「イケイケ 走れよ走れ ここからすぐさま 遠ざかれ」

 

軽トラには20分ぐらい乗った。

自転車では上り坂なので、1時間以上かかる距離か。

車の中で彼は「上まで行って、私は右に曲がるから、まっすぐ行くといいよ。もう少し登れば今度はずっと下りになるよ」と言う。

 

坂の上で降りた。降りたところは、どこだか解らないが、そこからはさらに上ったり下ったり・・・

この辺りは全く坂ばかり。

大隅半島の山地帯だろう。

風力発電の風車が、次々出てくるのを見ながら、佐多岬に向かった。