検問を突破した後、迷いなく南へ南へ走った。

1時間位走ると、何かおかしい、また間違えたかなと思った。

走っても走っても、吊り橋が出てこない。

間違えた、どうするか。間違えてもこのまま行くと、どこへ行くんだろうか。

でももう戻って、また係員の脇を通る、そんなことはヤダヤダ、やなこった。

係員は、ざま見ろ、俺の言うことを聞かないからだ。

そうとは言わないまでも、そう思われるのもシャクだった。

そこで構わず走り続けた。

いい加減走っていると、あったあった。

待望の吊り橋が見えた。

その吊り橋はゆらゆら揺れる、ゆりかごのような吊り橋だった。

自転車を押して、恐る恐る渡った。

渡った後は林道なのだが、そう簡単ではなかった。

吊り橋を渡って、階段を下って、それからが林道・・・。

林道は細いが、舗装されていた。

しかしすごい林道だ。

何が凄いか、それは急こう配の上り坂、急登・・・しかも曲がりくねった坂が続く。

もちろん自転車は歩いて、押しながら進む。

大雨の後なので石が、道に転がっているところもあった。

それに倒木まである。

大丈夫か、行けるか?登っていくと、自転車が走れるところも多くあった。

石があっても、それは避ければいいし、倒木だって、たまにある程度で、避ければスイスイ走れた。

向こうからは車は来ない。

もちろん向こうも通行止めだろう。

林道を2時間走ったころ、車が何台か通っていいるのが見えた。

国道だろうか。太い道に出た。

検問突破はまずは成功。

出たところは尾鷲市だった。