白い杖と言うと誰もが盲人が使う、白杖を思うことでしょうが、それでは転ぶ体を支えるには、弱すぎて無理でしょう。
私が山に持っていく白い杖は、スキーのストックを改良したものです。
スキーストックの雪に潜らないようにするための、輪の上側で切り落とし、先に筒状の木片に穴を開けて、穴に切ったストックの先を入れ込んでいます。
付けている円筒状の木片は、ビス止めしてあるので 2年経った今も山以外に外出時は毎回使っていますが、外れた事はありません。
またストックはスプレーで真っ白に塗っています。
これが2本あると、突然つまずいても、体を支えられ転ぶことは今まで1度もありません。
さて山に行く時、私は1人で行くことが多いです。
そして両手には先ほど話した白い杖を持ち、ヘルプマークを付けたリュックを、背負っていきます。
それでは山に行った時の、自然との出会い、人との出会いその他いろいろと得たこと感じたことを、お話ししたいと思います。
去年の秋、山はいよいと冬になる10月のある日、立山黒部アルペンルートを利用して、北アルプスに行って来ました。
立山室堂バスターミナルでトロリーバスを降り、その後は湖面に北アルプスを映した「みくりが池」その神秘的な姿に感動しながら、この池に沿うように歩いて今夜泊まる山小屋に向かいました。
登山道は大小の引き石が並べられているものの、酷い瓦礫状態で歩きにくかったです。
私はというと両手に白い杖を持ち、ちょっと風変わり、その風変わりは見た目の恰好もそうですが、それ以上に行動に現れているでしょう。
白い杖2本を足先遠くに出して、ゴロタの石を探りながら歩いていること。当然もたもた誰よりも、歩くのは遅いです。
「大丈夫ですか」
「大丈夫ですよ」
「何かお手伝いしましょうか」
「いや一人で歩けるので大丈夫ですよ。ありがとうございます」
「気をつけてください」と前から来る人、また後ろから抜かして行く人によく声をかけられます。
2本の杖は丈夫でつまずいて転ぶ瞬前に倒れる体を守ってくれました。