万葉集であるく奈良 | Bleu Monde

万葉集であるく奈良

『万葉集』が新しい元号の「令和」の元になっていると話題になった。

歌の一部というより序文の中にあるらしい。

(この本のp122に詳しく書かれている)

 

息子の学校では6年間を通して百人一首を学んでいる。

なので、時々その音読が宿題に出るので聞いているのだが、

百人一首の歌と万葉集の歌では微妙に違っているところがある。

 

例えば、この本のp42にも載っている持統天皇の歌。

 

春過ぎて 夏来るらし 白たへの 衣干したり 天の香具山

 

これが百人一首だと

 

春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山

 

なのだ。何故微妙に違うのか勉強不足なので近々調べてみたいと思う。

 

奈良は「飛鳥京」「藤原京」「平城京」と遷都している。

一番長いのは飛鳥で次が平城、藤原はとても短く14年ほどである。

それ以外にも細かくあちこちに移動している。

今でいう総理大臣の任期が短かったような感じかな。

 

この本では3つの都を軸に、

歌と共に、当時の歴史を学びながら、

土地の風景や文化を知ることの出来るガイドブックとなっている。

古墳や寺社など遺跡の場所も分かりやすい地図もある。

 

蜂飼耳さんの「大和三山、てくてく巡り」はタイトル通り

香具山、畝傍山、耳成山を歩いて巡っている。

 

春日山、三輪山、高円山、若草山…と

奈良には聞いたことのある有名な山がいくつもある。

山というのは方角を知る上でも大事なものだし、

何より眺めていて良いものだ。

私が今住んでいる所では晴れた日に高い建物からは富士山が見えることもあるが、

山に囲まれている生活ではない。

 

忙しない現代こそ、万葉びとの気持ちになって、

のんびりと山を眺めながら奈良を歩くのも良いよね、と思う。

 

『とんぼの本 万葉集であるく奈良』 新潮社