「他人の言う事を聞いちゃダメ」と言える大人になる。 | ジュネーブ半径500Mな毎日

「他人の言う事を聞いちゃダメ」と言える大人になる。





「夏には絶対に日本に行く!」



と私が思い立って行動を起こしたのには訳がありました。



それは、ある日の午後、美術の先生に呼び止められた事から始まりました。



「あなたはMのママですか?」



子供を送り終わって、気楽に家路に向かう私に美術教師が声をかけて来ました。



「はい、そうですけど・・・・・・?」



不思議そうに答えた私に、彼女が終始笑顔で言う事には、彼女のクラスでMが話さない、ということでした。



なので



「Mの気分転換のためにヴァカンスには日本に帰った方が良い」



と美術教師は私に提案して来たのでした。







私は美術教師に言いました。



「Mはフランス語を大分話せるようになっていますよ。意思表示だって出来るはずです。家庭教師とのやりとりを家で見てますが、Mは少し話しています。」



私は一応頑張ったのだ。「うちの子にはそんな問題があるとは思えません」と。



しかし、美術教師も笑顔を崩さずとも態度を変えません。



「私のクラスでは話さないのです。知能には問題がないと思います。でもウィもノンも言わないので、分かっているのかいないのか、こちらも分からないのです。ストレスが溜まっているのではないですか?」



「そうですか。いずれにしても夏休みには日本に帰ろうと思っていました。ありがとうございました。」







こういう会話の余韻は、私にはまるで地震のP派とS派みたいにやってくる。



最初に初期微動というショックがあって



それから本震にあたる大きな揺れ。



P派は上手くかわした感じがあったけれど



あとで来るS派で私はすっかり慌ててしまって



マグマが噴出するみたいに







「夏は絶対に日本に帰るぞーーー!!」





と、宣言したのでした。







さて、

Mにはストレスがたまっているのだろうか?

極限状態なんだろうか?



近くにいるからこそ家族の異変に気付けないケースを何度か見ている私にはちょっと難しい判断だ。

















だから











こんなときは











話してみよう











Mの家庭教師のC先生に











話してみました











私 「C先生、現地校の美術教師からこんなことを言われました。」



C先生 「本当?その先生なんて言う先生なの?(ちょっと怒)」



私 「名前は分かりません。でも、Mは日本に帰った方が良いらしいです。」



C先生 「あのね、その先生の言う事、聞いちゃダメよ。(ちょっと怒)」



私 「聞いちゃダメ?」



C先生 「そうよ。Mがフランス語を話さないですって?私とは話しているじゃないの。Mがその先生と話さないのは、その先生が嫌いだからなのよ。心が開けないの。だから、悪いのはMの心を開かないその先生で、Mはちっとも悪くないの。だから、そんな先生の言う事は聞いちゃダメ!!(怒)」



私 「なるほど、聞いちゃダメっていうのもありなんだ。」



毎回スカッとした答えをくださるC先生です。



なんだか、親として子供を見守る態度が、日本の親とジュネーブの親は違う。



ダリアも口癖のように良く言うけれど



「ねえ、ようこ?私の娘はすっっっごく頭が良いんだけどね、・・・・・・」



のように、人前でもまず自分の子供を褒める。



子供が目の前にいてもいなくても褒めちぎる。



謙遜が美徳の日本では、単なる親ばかみたいに思われがちだからか、なかなか耳にしない会話だと思うけれど、



でも、本当は親はこうじゃなきゃいけないんじゃないかとも思わされる



褒めて、褒めて、褒めて、信じて、褒めて、信じて、褒める



だから、悪いのは周りの大人で、子供は悪くない



という信念が生まれて



「他人の言う事なんか聞かなくても良いの!」



という揺るぎない発言が生まれるのだ。



(ま、何事にも程度問題というのもあると思うけど)







C先生は続けます



「Mはフランス語を頑張っているわよ。動詞の活用はママ(私)よりよく覚えているし(←こんなところで流れ弾にやられるとは~)、論理的に勉強しているから文法をなかなか忘れない。これからもっと話せるようになるわよ。」



とのこと、私には痛いけど、Mには嬉しいお言葉。



C先生 「で、ヴァカンスは日本で過ごすのね?でもその間にフランス語を忘れちゃうと嫌だから、私、日本とジュネーブで離れていても、スカイプでMを教えるわ!!時間決めてね。」





教師に必要なのは、ずばり情熱





子供を自国に返したら?って提案する人よりも、子供の心を開く努力が出来る人が教師なんだ!



もちろん多人数学級ではなかなか難しい対応だろうけれども。



子供にとって、教師は最初に触れる、家族以外の大人。



だから、MはC先生に巡り会えて良かった。



もちろん、私も良かった。







「そんな人の言う事聞いちゃダメ!」って思えて言える人になるために



わたしもまだまだ努力が足りないなぁ。



私はジュネーブで修業しているんじゃないかと思う。



ほんと、まだまだだなぁ、(最近の口癖)