カネは、触らせない
NYに居てつくづく思うのは、
アメリカ企業って、とことん社員を信じてないという事。
普通の店舗はそこまでではないが、
公共交通機関は職員を全く信用していない。
こっちに来て暫くしてから、
仕事の都合でNJの有るオフィスに3週間ほど通う事になり、
その為にバスの定期を買いに行った。
すると定期がなくて回数券があるというのでそれを勧められた。
4週間用の回数券は、往復X5日X4週=40枚セット。
使いかけの回数券が余っても返金してくれるというので、
4週間用回数券を購入した。
それからNJのオフィスへ通う必要がなくなったので、
返金して貰おうと残った回数券を手に、
NJのオフィスから帰ってきたバスを降りたその足で
チケット売り場に向かった。
そしてこれぞアメリカに直面した。
3人ほど並んでいた列の最後に並び、順番を待った。
自分の番が来て意気揚々と残った回数券を差し出し、
払い戻しお願いしますと言った。
すると窓口の係員は、とんでもない事を口走った。
「ここでは払い戻し出来ないよ」
「はぁっ????」
絶句した。
気を取り直してだらだら対応する係員に、
どうすれば手続き出来るかを聞くと、
私の手から回数券を取り、
回数券の裏にある住所をボールペンで丸囲みして、
「この住所に郵便で送って。そしたら小切手が届くから。」
「えっ!!今返してくれないの?」
「そ。有効期限以内に送れば大丈夫だよ。」
「なんでーーーーー!」
「ルールなんだよ。俺が作ったんじゃないよ。」
「何でそんなルールがっ!」
「さあね...会社が俺たちを信用してないからだよ(笑)」
「何か他に現金で貰える方法無い?」
「無いね。」
「これだけ?」
「これだけ。」
「返金に何日くらい掛かるの?」
「さぁねー...早ければ3週間、遅ければ4週間以上かな。」
「...。(無言)」
「NYじゃ、普通の事さ。」
という事で、会話終了。
会話している間、何度も気が遠退いた。
嗚呼、日本の公共機関がいとおしい。
何て便利な日本の公共機関。
改めてそれを実感した。
同時に、係員の言うように職員を信用して無い事も。
「信用」という言葉の重さが、全く違う事を。
結局、残った回数券を鞄に仕舞って帰路についた。
その晩、余りのショックにペンも握れずそのまま寝た...。
と書きたい所だが、逆に怒りにくれ、燃えに燃えた私は、
玄関のドアを閉めた途端レターセットを手に取り、
自己書式で払戻申請を書いて回数券を挟んで封筒に入れ、
封をして切手を貼って家の前のポストに力一杯放り込んだ。
それから4週間半後、小切手の入った封筒が届いた。
手数料を引かれた額面は、何と約$98だった。
ゴルァーッ!もっと早よ返さんかっ!
オレも生活しんどいんじゃーーーーーーーっ!
と、叫んだ。
でもちょっとだけしか、気が済まなかった。
そんな私って...。
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