声を失くした日
楽しい週末になる筈の午後4時近くに、
或るスタジオでエンジニアをして居る友人から電話が有った。
何度か彼と仕事をして親交を深めていた
ルーサー・ヴァンドロスが亡くなったと、
いつもと全く違う声色で話した。
2003年春にマンハッタンの自宅で脳卒中で倒れてから、
ニュージャージー・エディソンのJFK医療センターで、
治療を続けていたがその甲斐なく1日に息を引き取ったと、
静かに電話口の彼は話した。
彼に因れば彼は元々父親からの、
遺伝性の糖尿病と高血圧を患っており、
そのせいで著しい体重の増減があったりし、
脳卒中もこれ等が大きな原因と考えられていたらしい。

(C)Kevork Djansezian
★「Divas & Kings Concert」にて、パティ・ラ・ヴェルとのデュエット 2000年

(C)Michael Caulfield
★NAACPイメージ・アワーズで、スモーキー・ロビンソン(L)と 2000年
私が間近に生の彼を見たのは、
ここNYでの2年位前のレイディオ・シティでのライヴ。
ボーイズ・II・メン、ブランディを始め、
今をときめくアリシア・キーズ、ビヨンセ、アッシャー等に、
強く影響を与えたあの美しい伸びのある深い声を、
もう聞く事が出来なくなったんだと、
彼の話を聞きながら徐々に実感していった。
去年のグラミー賞でも、
”Dance with my father”で最優秀楽曲賞、
また同名のアルバムで4度目の、
最優秀R&B男性歌唱賞を受賞したが、
結局闘病中だった事で授賞式には、
ヴィデオ出演だけで実際に会場に姿を現す事は無く、
何とも寂しいと感じた事をふいに思い出した。
だが今までの彼の作品を聞きなおすのには、
- Dance With My Father
(US版)
Dance With My Father (JP版)
遺作となった全米第1位アルバム
Live at Radio City Music Hall 2003 (US版)
Live at Radio City Music Hall 2003 (JP版)
私が最後に見た彼のステージ
だが今までの彼の作品を聞きなおすのには、
良い機会なのかもしれない。
享年54。
まだまだ色んな歌をステージで聞かせて欲しかったけど、
ルーサーがもうこれ以上病気に苦しむ事が無くなった事だけが、
ファンが良かったと納得出来る点かも知れない。
天国でもステージに立ちファンを楽しませている姿の、
天国でもステージに立ちファンを楽しませている姿の、
ルーサーを思い浮かべる人は私だけではない筈だ。
ご冥福をお祈り致します。
