N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ- -271ページ目

遠い地の

もう8月1日。
今日は八朔。
関西に長く住んだ事のある人なら、
一度は聞いた事が有る言葉の筈。

八朔は旧暦の8月1日の事で、
むかしからお世話になった方にお礼や、
贈り物をする風習が有る。
一般に「お中元」を贈るのは、これが元だと聞いた。

これが京都の花街となると、また変わった形になる。
芸舞妓さんが(ゲイじゃないよ)八朔になると、
新暦に変わった後も日頃お世話になっている芸事の師匠や、
日々の舞台となるお茶屋へ一軒一軒、
朝10時頃から挨拶回りをする仕来りがある。

hsk

挨拶回りなので、そこは仕来りと気を抜けない女の世界。
芸舞妓の正装姿の黒紋付を身に纏い、
師匠宅等へ訪問しては、はんなりとした京言葉で、
ゲイ「相変わりませず、おたの申しますぅー」
師匠「お気張りやすー」
てな遣り取りをする。

日本も30度を超える暑さだったろうから、
白い襟に汗が滲みながらも涼しい顔をして、
あの黒紋付を纏った芸舞妓達は優雅で柔らかな物腰で、
きっとお茶屋の暖簾を潜り、格子戸を引いて、
お茶屋の女将に挨拶したんだろうなぁと、
カレンダーを見て風呂上りの梅ジュースを飲み乍ら、
遠い日本の小さな風習を思い出した。