夫婦共倒れ | N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ-

夫婦共倒れ


しんどい、しんどいと思いながらも出掛けなきゃならない仕事。
行ってきました、宇多田ヒカルのやつ。
ダウンタウンのとあるスペースで行われたライブはショウケースと呼ばれ、
日本と全く違うアピールの肩を出した、
イヴニング風のロングドレスの宇多田が見られた。

普段こういったマスコミ向けのコンヴェンションは夜遅くに始まるので、
しっかりと夕飯を食べてからキャメラマンのジョンと、
サウンドのジャックと一緒に行った。現地には10時頃到着した。
日本文化に興味を持つ超高学歴(世界に名の通った有名校卒)の二人は、
時々「は?!」と思うような事を質問してくるので、
私に無い感覚を持ってるという点ではとても大好きな人達。
そんな二人と私は出掛けた。

いつもはファッション系のイヴェントでよく使われるココのキャパは、
凡そ千人。
だけど、ぎっしり詰まったという感じではなかった。
ダンナ紀里谷が初演出したというステージは銀幕に見立てられ、
オープニングの「デヴィル・インサイド」のイントロ聞こえると共に、
宇多田と4ピースバンドが登場。
バックに設置されたスクリーンにシルエットが映し出されるものの、
メインキャラの表情が見えないように映像で演出。

あのブサイクな童顔には似合わない、
「セクシー系」のメイクを施した宇多田は、
かなり緊張していて表情が全く良くない。
宇多田にはかなり無理な設定だと思うし、全くこなせてない。
この緊張は最後迄続いていた為、
ステージ上で繰り広げられるショウは淡々としてとてもぎこちなく、
MCも6曲歌った内の最後の曲を紹介する時のとても短い一言だけで、
それもボソボソっと云うだけで、
ライブ下手な彼女の欠点を見事に露呈していた。

全6曲の今回のライブは、本来昨年10月以前に行われる筈のイヴェント。
アメリカではどんなに本国で実績が有っても、
プロモーターが主にラジオ局への露出を狙ったプロモーションを行い、
同時にアーティストに全米各地の小さなラジオ局へも出向いて、
曲を掛けて貰うためのドサ回りは必須事項だ。
出向く事が出来なくても、他にも手は一杯有る。
しかし宇多田はそのプロモーションをしなかっただけでなく、
ショウケースもゴタゴタが有ったとして今頃行った。

これ等を見ていて言える事は、「本気でやってない」という事。
連れも日本で700万枚を売り上げた事を承知で見に来ていたので、
それなりの期待はあった。
しかし私達もプロ。
期待し過ぎちゃ居ないし、引いて見ている。
今回のパフォーマンスも演出も市場に向いてないし、
ターゲットが不明瞭。

別に非難するつもりは無い。
しかし、どんなに日本での売上実績が有ろうと無かろうと、
やるなら本気で掛かって来いと言いたい。
半端な気持ちと態度で臨むなら、
そのチャンスを他に回して遣ってくれと思う。
そのチャンスすら掴めない人間は、ゴマンと居るんだ。
レコード会社の知人にも会ったので話を聞くと、
ショウケースが先延ばしになった理由は今でもよく判らないままで、
結果としては日本サイドが消極的だったらしい。

実際どんな問題があったかは予測し難いが、
どんな問題が有ったにせよ、
今後の明暗を分けるこれ以上無い大事な時なのに、
それよりも大事な「理由」とは何か?
妊娠・出産に関係する事で無い限り本人は渡米出来る筈だし、
オトンやオカンが死んだとしても(実際は両親とも元気)、
こういう仕事は親の死に目には会えずに舞台に立つのが当然だ。
全米デビューの契約をしてから最低でも1年半の時間が有った筈。
その間に準備が出来た筈なのに、結局ポシャって最悪の結果。

積極的にプロモーションしなければ、
現地のプロモーターも懸命に売り込んでくれる訳無いのだ。
日本人記者以外の招待された現地の関係者の大半は冷視線を投げ、
「今頃何しに来たんだ?」ってな感じで見ていた。
第三者として見た時に、
どうしても日本での現状に甘んじてる様にしか見えない。
全米市場にとって楽曲にも、アーティストにもちっとも魅力は無い。
だからビルボード160位も当然だと思うし、
今後も全米で活動継続するなら、全面的な見直しが必要だ。
鳴り物入りだった筈が、デフもとんだ物を掴んだと思う。
ま、夫婦して、全米の金蔓になる日は程遠い。