意外な苦痛 【1/25 追記】 | N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ-

意外な苦痛 【1/25 追記】


このブログを読んでる方で、
海外駐在された事がある方も居られると思うが、
海外駐在員には海外駐在を命じた企業側から、
海外駐在期間の住宅や海外駐在手当て等、
様々な形で手当てが出るが、
最近はそれがかなり縮小してはいる物の、
矢張り大企業の駐在員ともなると、
まだまだその手当ては充実していると言える。

彼らは赴任が決まると会社から不動産会社を紹介して貰い、
そこから企業が払える程度の家賃の物件を仲介される。
勿論30-80%の補助が出るので、
(全体的に大企業ほど、補助額が大きい)
殆どが奥さんの決定権の下で物件は物色され、
場所も殆どがマンハッタンの高級アパートになる。
この『高級アパート』が後キーになるのだ。

アメリカには『お年玉』という習慣が無いと思ってる人が多いと思うが、
実は、『お年玉』があったりする。
それも、大人に対して...。

『アメリカ版お年玉』は、
判り易く言えば、『チップ』だ。
『チップ』は何かして貰った時に払う物。
この場合のチップは、『普段のサービスに対してのチップ』だ。
ま、日頃の親切に感謝して...と言う物だが、コレが厄介だ。

大体チップ対象になるのが、
サービスを受ける度にチップを支払わない人が対象。
アパートのドアマン、警備員、宅配や郵便を預かる受付、
補修等をしてくれる管理人、クリーニング屋の配収員、
ヘアサロンの予約担当者、カット担当者、
配達を利用しているならスーパーの配達員も。
あと、仲が良かったり、利用頻度が高ければ、
郵便配達員や宅配配達員も対象になる。
大体全体で、20-30人は居る。

そして1件辺りの相場は$30~。後は青天井。
金持ちになればなる程、額も多くなる傾向にある。
(ドナルド・トランプはかなりくれるという噂)
メチャメチャ世話になってる人なら、年に一回、この時とばかりに奮発する。
逆に、この時以外にするチャンスは無いのだ。
最低額で試算したとしても、$30X30人=$900。
日本円にして約10万円のお年玉なんて、
エライ高いお年玉だと思うだろうが、
『サービスを金で買う社会』のアメリカでは、ごく普通の事。
高級アパートになればなるほど管理側の人間は増え、
その彼ら全てに払わねばならない。

日本人なら普段からちょっとした物の遣り取りをして、
金の存在を現す事を控える。
こちらでは総体的にそんな付き合い方は無いので、
『金額』でそれを示すのだ。
言葉で言ってしまうととても味気ないが、
実際、冗談抜きで味気ない。
世の中金次第ってこの事か...と実感する。

渡し忘れると大量の荷物を持ってても、
気付かない振りしてドアを開けて貰えないとか、
さり気無い仕打ちをされるのだ。
一旦慣れてしまったお気楽ライフから一転、
逆戻り=チップを払うという公式の出来上がり。

このクリスマス・チップの習慣はアメリカだけらしく、
イギリスから来た相方はこの習慣を全く知らず、
エライ目にあったそうな。
(この「エライ」は酷い目と言う意味)
相方は同僚からクリスマスチップの事を聞き、
早速当時住んでいたチョーーーーー高級アパートの
ドアマンに写真の様なマネーホルダーに$50入れて渡した。

相方はクリスマスにチップを渡す事は聞いたが、
肝心な事を聞いていなかった...。
当時のアパートには管理人を含め10人程のサービスマンが居た。
相方は普通にチップを出すのと同程度に考えていた為、
一人$5X10=$50と思っていた。

しかしみんなで分けると思っていた相方は、
後で分けてねという一言も付け加える事も無く、
「ハピ・ホリデイ」とだけ言っただけだった。
その後、他の不親切な態度のサービスマンが居た為、
同僚にそれを話した所、

・個別に渡す
・相場は$30程度
・出来るだけ早めに渡す


同僚の言葉に真っ青になった相方。
じゃあ、あの$50はあの人だけのもの??と心に津波が...。
てっきりサービスマンの一人に渡したら、
みんなで分けるものだと思ってたと言いかけたがそこはイギリス人。
自分の失態を態々バラす事も無く、
「まだ全部準備してなかったから、昼に買いに行こうと思ってる」と、
内心、えーーーーーーーーーーっ!!と思い乍も、
同僚と他の話題に切り替わってもドキドキし乍ら笑って話していた(涙)。

昼食時に急いでカードショップへ走り、
マネー・ホルダーを買い、その足で銀行へ行き現金を下ろし、
その後でランチを買って直ぐに社へ戻り、
急いでランチを食べて買ってきたホルダーに現金を詰めて、
家に帰った時に渡せる様に準備万端にして、
帰宅時に夫々に渡したらしい...。
まだクリスマス・イブだったので当日中に、
全員に渡す事が出来たらしい。

相方は、高級アパートに住んでる自分を恨んだ。
なんで、こんな沢山人が働いてる所に住んでるんだと。
だけど、ココはイギリス時代から住みたかった高級高層アパート...。
ううぅ...(涙)。
泣いても金は戻ってこない。
嬉しいだけでは済まなかった、意外なワナだった。

駐在員はとても大変だと思うが、
それについていく家族も環境変化で大変だと思う。
しかし、中には勘違いしたヤツも居る。
それについてはまた別途書くとするが、
そういうのがクリスマス・チップで苦しんでても、
ざまーみろって思ってしまう。
人の事を見下してる様な人間に、同情するつもりは毛頭無いからだ。
ま、この辺が「冷たい」と言われる要因かも知れないが...。

駐在員の家族も同じ目に遭っている。
マンハッタンの高級マンション住まいで、
家賃はタダのような値段で会社の手当てでぬくぬく暮らしていると、
振って湧いた様にこんな仕打ちが...!!
色んな意味で優遇されているのを知ってるから尚更、
嫌いなヤツがこういう目に遭ってるのを見ると、
むふっ...って思ってしまう...。(悪いヤツ)

イギリスから出て来た若者がアメリカに馴染もうとしている、
涙ぐましい姿だ...。(美化150%でも爆笑している俺)
涙ぐましくなくても、矢張り「馴染む」事は何よりも大切だ。
郷に入っては郷に従え。
「習慣」を変えるのも難しいが、
「習慣」を覚えるのもかなり難しい。
でも、大金が出て行くのが一番痛い...。