師走になるとどうしてこうも忙しいのか・・
すでにかなりの疲れが溜まっている今週だったけれど、年末までに根元の白髪は何とかしたいから美容院の予約は早々入れておいた。
疲れていても長い付き合いの美容師さんだから無理しなくていい。
流行りのものや話題のものを色々と教えてくれ、いつも楽しくリラックスできる。
彼女は40代前半の女性だ。
美容の話、彼女の推し活ジャニーズの話からアニメ/映画の話に移ったところで、キャンディキャンディのことを聞いてみる。
「え? え? キャンディキャンディ? 知ってますけど、え? なに?
ツインテール? ツインテールですか? うわー、どうしたんですか? 〇〇さん、あの髪型にしたいとか? 今日巻いて帰ります? いいですよ、できますよ」
知っているか聞いただけなのに一人で盛り上がっている。![]()
こちらは疲れきっていて、いつもの切り返しができず笑うしかない![]()
その時、20代の頃のある出来事をふと思い出した。
結婚式だったかなんだったか、フォーマルな装いでのパーティ参加、そんなパーティもその頃はもっと頻繁にあった。時代だったのか、若かったからか。
当日、事前に予約した美容院で服のイメージを伝えたところ、「では巻いておきますね」と、言われたので、なんの疑問もなくお任せすることにした。
後日、一緒に参加した友達と食事をした時、彼女はこう言い放った。
「もうさー。〇〇、会った瞬間、イライザかと思ったよ。すごい縦ロールで見た瞬間、笑ったよ」
・・・イライザかと思ったよ・・・![]()
写真をよくよく見れば確かにイライザの髪型に見えなくもない。
綺麗に巻かれたその髪は素敵だと写真をみて自分ではそう思った。
そう、実際すてきだったのだ。ただ、縦ロール=イライザのイメージはこの物語を読んだ/見たすべての人にインプットされているから、縦ロールの魅力が半減してしまうのだ。
イライザは自分では決してセットしないその髪型を、誰よりも魅力的でゴージャスな髪型だと思っていたに違いない。
彼女以外には誰にも指摘されなかったその髪型。
写真を見るたびにイライザのことが思い出され、今はクローゼットの段ボールの中で断捨離予備軍となってしまってある。
キャンディとイライザの髪型はかなり人を選ぶもの、日本人だとちょっと難しい。
物語の中で特にアクが強いこの二人、それは髪型に表れている。
キャラ設定は大成功でイラストならいいけれど、どちらの髪型も実際ならご遠慮したいところだ。
アニーやスザナのような艶やかなストレートロングがいい?
テリィがいいって言えばあの髪型でいられるか?![]()
でも、髪型じゃないんだ、結局。
あのテリィは爆発したキャンディの髪型もそばかすも好きだったんだから。
やっぱり笑顔か・・・
笑った顔のほうがかわいいよ、の年齢はとっくの昔に終わってしまったけれど、愛嬌だけは絶やさずいないといけない。
疲れが隠せない顔を鏡越しに見て、これではいかんと、帰りに取りつかれたように百貨店の化粧品売り場へ直行する。
「美容院の帰りに化粧品を買う方多いんですよー」
販売員さんの言葉に何もなかったかのように微笑んで見せた。