こんにちは、ブレッシング皮膚科の皮膚科専門医、ドクタージニー・カン・ジンヒです。

 

 

韓国でニキビ跡治療とリフティング分野で15年以上診療を行っており、過去にはマゴクオラクル皮膚科の代表院長を務め、ソウル聖母病院皮膚科で研修を受けました。現在はYouTubeチャンネル(約10万人登録者)を運営し、デンシティハイ・オリジオのキードクター、ポテンザリサーチセンター指定病院、そしてジュベルックキードクターとして活動しています。

 

 

今日は多くの方が悩まれているほうれい線について、特にミント糸リフトを中心とした治療法について詳しく解説いたします。

 

 ほうれい線治療における一般的な誤解

 

多くの患者様が「ほうれい線=フィラー」という認識を持たれていますが、これは正確な理解とは言えません。ほうれい線の形成は単純なボリューム不足の問題ではなく、筋膜のたるみ、皮膚弾力の低下、脂肪分布の変化、そして重力による組織の下垂など、複数の要因が複合的に作用した結果として現れます。

従って、ほうれい線治療においては表面的なしわを埋めるアプローチではなく、根本的な原因に対する多角的なアプローチが必要となりますがこの点において、ミント糸リフトは非常に効果的な治療選択肢となっています。

 

 ミント糸リフトの治療原理と特徴

 

 

糸リフトの原理

 

ミント糸リフトは、特殊な突起(コグ)が付いた医療用糸を皮下組織に挿入し、物理的に皮膚と皮下脂肪を上方向に引き上げる治療法です。従来のスムーズな糸とは異なり、ミント糸の突起構造により、組織をしっかりと捉えて持続的なリフティング効果を提供します。

 

ミント糸の構造的優位性

 

ミント糸の突起は双方向に配置されており、これにより糸の移動を防ぎながら組織を効果的に引き上げます。糸の材質は生体適合性の高いPDO(ポリジオキサノン)やPCL(ポリカプロラクトン)が使用されており、時間の経過とともに自然に体内で分解されながら、その過程でコラーゲン生成を促進します。

 

 

 ほうれい線に対するミント糸リフトの具体的な効果

 

 

症例を通じた効果の検証

 

長年にわたる臨床経験の中で、ミント糸リフトがほうれい線改善に与える効果を数多く確認してきました。特に印象的だった症例では、ほうれい線の横の頬部組織が顕著に下垂し、深いしわが形成されていた患者様に対してミント糸8本を戦略的に配置した結果、フィラーを一切使用することなく劇的な改善を達成することができました。

この症例では、糸を頬骨弓から口角外側にかけてのラインに沿って挿入し、下垂した頬部脂肪を上方に引き上げることで、ほうれい線の深度が大幅に軽減されました。さらに重要なのは、この改善が非常に自然な仕上がりを示したことです。

 

 

ミント糸リフトの即効性と持続性

 

ミント糸リフトの大きな利点の一つは、施術直後から効果を実感できる即効性にあります。糸による物理的な引き上げ効果により、施術直後から顔の輪郭の改善とほうれい線の軽減が確認できますね。

しかし、ミント糸リフトの真価は長期的な効果にあります。挿入された糸の周囲では持続的な炎症反応が起こり、これがコラーゲンやエラスチンの新生を促進しますけど結果として、糸が完全に吸収された後も改善された状態が維持されることが多く、患者様の満足度も非常に高い結果となっています。

 

 フィラー治療の限界とリスク

 

 

過度なフィラー使用による副作用

 

ほうれい線治療において、フィラーのみに依存したアプローチには明確な限界があります。特に問題となるのは、ほうれい線の根本原因である組織の下垂を解決せずに、単純にボリュームを追加することで生じる副作用です。

過度なフィラー注入により、注入部位から周辺組織への移動が起こり、結果として顔幅の拡大や不自然な輪郭の変化が生じることがあります。

実際に、他院で過度なフィラー治療を受けた後、症状が悪化して来院される患者様も少なくありませんが、このような場合、まずヒアルロニダーゼによるフィラーの溶解を行い、その後適切なリフティング治療を実施する必要があります。

 

適切なフィラー使用の原則

 

フィラーを使用する場合は、非常に保守的なアプローチを取ることが重要です。ほうれい線治療において使用するフィラーは通常1cc程度、最大でも2cc以内に留めるべきです。また、使用部位も厳選し、小鼻横の犬歯窩部分には硬いフィラーを骨膜上に深く注入してボリュームを補充し、ほうれい線のライン下部には柔らかいフィラーを皮内層に薄く注入してしわを緩和するという、層別のアプローチが必要です。

 

ミント糸リフトとウルセラの相乗効果

 

複合治療による最適化

 

ほうれい線治療において最も効果的なアプローチは、ミント糸リフトとウルセラ(HIFU)治療の組み合わせです。この二つの治療法は、それぞれ異なるメカニズムでほうれい線の改善に寄与します。

ウルセラは高強度超音波エネルギーを皮膚深層のSMAS(superficial musculoaponeurotic system)層に伝達し、熱凝固点を形成することで筋膜の収縮とコラーゲン生成を促進します。一方、ミント糸リフトは物理的な引き上げ効果により、より直接的で即効性のあるリフティング効果を提供します。

 

治療の最適な組み合わせ

 

実際の治療では、まずウルセラによって皮膚深層の基盤を強化し、その後ミント糸リフトによって表層から中層の組織を物理的に引き上げることで、より包括的で持続性の高い改善を達成することができます。この組み合わせにより、単独治療では得られない相乗効果を実現し、患者様により満足度の高い結果を提供することが可能となります。

 

 
個人の経験から得た教訓

 

 

プロテーゼ治療の失敗経験

 

過去に個人的にほうれい線改善を目的としてプロテーゼ挿入術を受けた経験があります。しかし、時間の経過とともにプロテーゼが両頬部に移動してしまい、最終的に除去術を受ける必要がありました。この経験を通じて、ほうれい線治療における「自然さ」と「安全性」の重要性を深く認識するようになりました。

この経験は、現在の治療方針にも大きく影響しており、患者様に対しても常に保守的で安全性を最優先としたアプローチを推奨しています。特に、異物の永続的な埋入よりも、自然な組織の再生と改善を促進する治療法の優位性を強く実感しています。

 

 

 治療計画の立案と個別化

 

 

包括的な診断の重要性

 

ほうれい線治療において最も重要なのは、患者様一人一人の顔の構造、皮膚状態、老化のパターンを詳細に分析することです。顔の骨格構造、筋肉の動き、脂肪の分布、皮膚の弾力性など、様々な要因を考慮した上で最適な治療計画を立案する必要があります。

 

段階的治療アプローチ

 

効果的なほうれい線治療は通常、以下の段階的なアプローチで進められます。

第一段階:基盤強化 ウルセラやラジオ波治療による皮膚深層の引き締めと基盤強化を行います。この段階では、SMAS層の収縮とコラーゲン生成促進が主な目的となります。

第二段階:物理的リフティング ミント糸リフトによる直接的な組織の引き上げを実施します。糸の本数や配置は、患者様の具体的な状態に応じて個別に決定されます。

第三段階:ボリューム調整 必要に応じて、最小限のフィラーによる精密なボリューム調整を行います。この段階では、全体のバランスを考慮した微調整が中心となります。

 

ミント糸のリフト8本直前20230616

 

ミント糸のリフト8本直後20230616

 

 ミント糸リフトの技術的な詳細

 

 

糸の選択と配置戦略

 

ミント糸リフトの成功は、適切な糸の選択と精密な配置にかかっています。患者様の皮膚の厚さ、脂肪層の状態、筋肉の張力などを考慮して、最適な糸の種類と長さを選択します。

配置に関しては、解剖学的な構造を深く理解した上で、血管や神経を避けながら最大の効果を得られる位置に糸を挿入します。特にほうれい線治療においては、頬骨弓から口角にかけてのベクターが重要であり、このラインに沿った適切な糸の配置により、自然で効果的なリフティングが可能となります。

 

施術の安全性と合併症の予防

 

ミント糸リフトは比較的安全性の高い治療法ですが、適切な技術と経験が必要です。主な合併症としては、一時的な腫れや内出血、稀に糸の透見や感染などが挙げられます。これらのリスクを最小限に抑えるため、厳格な無菌操作と適切なアフターケアが必要です。

また、患者様の期待値管理も重要な要素です。ミント糸リフトは確実な改善をもたらしますが、外科的フェイスリフトのような劇的な変化ではなく、自然で段階的な改善であることを十分に説明する必要があります。

 

 
治療後のケアと長期的な管理

 

 

immediate post-treatment care

 

ミント糸リフト施術後の適切なケアは、治療効果の最大化と合併症の予防に重要です。施術直後から数日間は、過度な表情運動や咀嚼を避け、頭部を高くして就寝することで腫れを最小限に抑えることができます。

 

長期的な効果の維持

 

ミント糸リフトの効果を長期的に維持するためには、定期的なメンテナンス治療が推奨されます。通常、12-18ヶ月ごとに効果の評価を行い、必要に応じて追加の糸リフトやその他の維持治療を検討します。

また、日常的なスキンケアや生活習慣の改善も効果の持続に重要な役割を果たします。適切な紫外線対策、保湿ケア、そして健康的な生活習慣により、治療効果をより長期間維持することが可能です。

 

結論と今後の展望

 

ほうれい線治療における最適なアプローチは、従来の「しわを埋める」という単純な概念を超越した、包括的で多角的な治療戦略にあります。ミント糸リフトを中心とした複合治療により、患者様一人一人の独特な顔の構造と老化パターンに対応した、個別化された治療が可能となります。

今後も継続的な技術の向上と新しい治療法の導入により、より安全で効果的な治療選択肢を患者様に提供していく所存です。ほうれい線でお悩みの方は、まず包括的な診断を受けられることをお勧めいたします。

 

 

※注意事項 すべての皮膚科施術は個人によって副作用が発生する可能性があります。専門医との十分な相談の上、治療を進められることをお勧めします。

ブレッシング皮膚科 皮膚科専門医 ドクタージニー・カン・ジンヒ