2012年3月30日。


私がそこからさらに18年前の高校生の頃に生み出した、

「なぜ毎日同じように生活しているのに、好調不調があるのだろう?」

という疑問が、一瞬にして氷解する瞬間、ばらばらに散らばったパズルのピースが、一瞬にして矛盾なく組み合わさる瞬間が訪れます。



それは広島へ出張している中での出来事でした。


クライアントは初めてお会いする貝原さん。

上品な佇まいの中に、どこかもの悲しそうな雰囲気をまとった方でした。

その心には、強迫的な観念や、過去から背負った悲しみや憎しみがあって、あらゆる不快感がその人本来の魂の輝きを抑圧していることが分かりました。


お話を一通りすべてお伺いした後に通常は横になっていただき、こちらで原因となる感覚や感情、その他のエネルギー的なものをクリアにするのですが、
その日は以前から取り入れていた、ご自分で悟り、ご自分ですべて手放すというワークをお話の中で自然と誘導していたのでした。


するとどうでしょう。


みるみるうちに、内側にあった強迫的な観念や、過去から背負った悲しみや憎しみ、ありとあらゆるものが自然と氷のように解けて無くなっていったのです。

その放つオーラはまばゆいほどに輝かしく、90分前にお会いした時とはまるで別人でした。



「いままで悩んでいたことは一体なんだったのでしょう?」


驚きの中に満面の笑みがこぼれたこのセッションは、初めてその方自身が悟ることによって、その方自身によってすべてのしがらみから抜け出た、記念すべき初めての瞬間でした。


「本当にありがとうございます。また次回も是非お会いさせてください」


そう言っていただきながら、
「ご自分で悟られてご自分でそこまでクリアにされたのですから、おそらく当分は必要ありませんね」と心の中で思いながらお見送りしたのを覚えています。


その夜、すべてのセッションを終えてホテルまで帰る道のりで今日あった出来事を振り返りながら、

「言葉だけの誘導で、あの強烈な変容ぶりは一体なんだったのだろう?」


と思いを巡らせ、広島市内のある橋に差し掛かったその時。


ばらばらに散らばったパズルのピースが、一瞬にして矛盾なく組み合わさった瞬間が訪れます。


「そうか、すべては自分たちで生み出しているものなのか!
だからその仕組みを悟ることによって、すべてが氷のように溶けて無くなったのか。
まるで最初から無かったかのように跡形もなく」



すべての摂理がストンと腑に落ちた感覚。


「お釈迦さまが言っていたことはこういうことだったのか。
 もしも言葉だけで悟ることができるのであれば、
 多くの人が掴みどころのない悩みから解放される手助けができる」



2012年3月30日、高校生の頃から始まった純粋な疑問という波紋が、無数の気づきと経験、実証を経て、大きな実りとなって噛み合った瞬間でした。


こうして『「不快感」がスーッと消える本』が生まれることとなったのです。


『「不快感」がスーッと消える本』(PHP研究所)


多くの方が不快感から解放され、心から幸せな人生を歩めますように。

ありがとうございます。