飛行機のPCスキンを見たせいか

唐突に 昔のことを思い出した




わたしは 高校卒業後

2年間 外語系の専門学校へ通った

当時はツアーコンダクターになりたくて

そういう勉強ができるコースを選んだ

つまり 国際ガイド科

他には

英会話本科、国際ビジネス科、

国際ホテル科、英文秘書科・・・

なんかがあったと思う


ESS(なんてまだあるのかな?)に

所属していて 他の科にも友達ができた

私の彼は 国際ホテル科の学生だった




2年間はあっという間で

彼は フランス駐在の職を得た

就職が決まったとき 彼から呼び出されて

「友達に戻ろう」 と言われた

神田駅近くの 一杯飲み屋みたいな店だった


ショックだったのは確かだけれど

なんていうか・・・

若かったんだな わたしも彼も

夢のためなら どんなことにも耐えなければ!

みたいな 思い込みがあった

ふたりで よく お互いの夢を話し合ったり

励まし合ったりしていたからかもしれない

わたしは黙って彼の申し出にうなづいた


それは ホントに好きだったから・・なのか

それとも ホントに好きじゃなかったから・・・なのか

今もって はっきりとはわからない


別れを告げられたわたしではなく

別れを告げた彼のほうが涙ぐんでいた

だから 黙ってうなづくことができたのかもしれない



わたしも希望通りに 都内某旅行会社に就職し

とりあえず 顔見せ巡業へ行け ということで

先輩に連れられて 都内をウロウロしていた頃のこと


先輩と一緒に 東京駅を突っ切って

どこかへ行こうとしてたとき(目的地は忘れた)

そしたら そこで ばったり遭遇してしまったんだよね

花束を持った彼と

彼をとりまいてる ESSのメンバーたち

同期の子もいたし 後輩たちもいた


彼がフランスへ旅立つ日だったらしい


そう

わたしは その日を知らされていなかった




部長だった子が わたしの腕を引っ張って

彼の前に連れて行った

ずぅぅぅっとあとになってから

部長はきっと わたしが知っていて来なかった

と誤解したんだな と気がついた

それくらい 有無を言わさず強引な引っ張り方だった

「ちゃんとしろ!」とかナントカ

言われたような記憶がある




わたしは彼になんて言ったんだろう

全然 覚えてない

覚えているのは 

旅立ちに心奪われて

いそいそしている彼の表情と

夢に向かってはばたく日なんだから

当然だよね・・と思ったこと




何かを言って さっさと走って戻った

先輩は雰囲気を察してくれたみたいで

少し離れたところで待っていてくれた


「もういいの?」

と聞いてくれたと記憶している

「もう少し話してきていいよ」

みたいなことも 言われたような気がする

「いえ いいんです」

と 答えたような気がする




わたしだけ 知らされていなかったことが

とてもショックだった

わたしに見送ってほしくなかったんだな

と解釈した

だから さっさと引き揚げるべきだと思った





彼がわたしにだけ知らせなかった真意は

なんだったんだろう・・・と思うと同時に

出発の日を知らせてくれてたら 

わたしはどうしただろう・・・とも思う


わからないな・・

仕事を休んで行っただろうか

東京駅を避けただろうか

・・・やっぱり わからないなぁ




今のわたしだったら

絶対行かない 行き合わせない

わたしを必要としない人のところへ

のこのこ出かけていくことなど

できないオトナになってしまった




あれから20年以上がたってる

彼は今 どうしてるだろうか