むかし、むかし

とある島の
とある国のお話。


そこの国の人々は
みんな心に『幸せのオルゴール』を持っています。


その幸せのオルゴールには鍵がついていて

人、それぞれ
一人一人によって違いはあるけど

人生で一番な幸せに出会えたときに

鍵が外れる仕掛けになっています。



これは、
そんな国の
まだ鍵が外れない少年のお話。



少年は
まだ幸せの意味すら知りませんでした。

それなのに

他人の幸せを
妬み、羨み、嫉妬してばかり。
自分のことばかり。





そんな少年ですが

ひそかに
ある少女に恋をしてしまいました。


けれど
少女の幸せのオルゴールは
もう鍵があいていて
幸せの人生を歩んでいました。



それでも少年は
自分のことしか考えず

少女に想いを伝えてしまったのです。




少女は始め
戸惑いましたが

少年の想いを素直に受け止め

優しい心で包み込んでくれました。


少年は嬉しくて嬉しくて


少女を困らせてしまうくらい
自分の幸せを満喫していました。



けれど
少年のオルゴールはなりません。。。



それでも少年は
少女を困らせ続けました。


『幸せだなぁ。』




しかし
少年の幸せも長くは続きません。



オルゴールが鳴り響き
幸せの人生を歩んでいた少女。



いつしか別れの時がやってきました。


『結局、オルゴールは鳴らなかったな…』



そして、
少年に幸せに反動して悲しみが訪れてしまい



少年は心を閉ざしてしまいました。




そんな中
少年の友人達が
少年のことを心配して訪ねてきました。


『大丈夫かい?』

『みんなで遊ぼうよ。』





しかし少年は
跳ね退けるように



『オルゴールの鳴った君達に何がわかる!』


と、一言

せっかくきた友人達を追い出してしまいました。


それから何日も
友人達は少年に逢いにいきましたが



少年は心を閉ざしたまんま。



ただ少年も
夜だけは寂しくなって

後悔ばかりしてしまいました。



『みんな、ゴメンね。』





それから一ヶ月ほど経ったある日


友人達が訪ねてきたとき

やっと少年は心を
開きだしました。



『みんな、ホントにゴメンね。』


その言葉にホッとした
友人達は笑いだして


『みんなで唄を歌おうよ!』



と、みんなで歌い始めました。

それに合わせて少年も歌い始めました。





すると、
少年の心は優しい気持ちになり


唄に合わせてオルゴールが鳴り響きだしました。



『みんなのおかげだよ。』


今度は少年は唄を歌って
みんなを笑顔にしたくなりました。



『この気持ちをみんなに伝えたい。』




そして、
少年は自分のためになってしまうけれど

みんなの笑顔のために

旅にでることにしました。



少年の幸せの旅は
まだまだ始まったばかり。


お話はここまで。


せえよう(笑)