ある日、『雪国(もちろん、中国語訳である)を読んでいた彼は、
黒犬がお湯を舐めている場面に出会い、電光のようなインスピレーションに襲われ、
たちまちに『白い犬とブランコ』という小説の冒頭を書き出したというのだ。
「高蜜県東北郷原産のおとなしい白い犬は何代かつづいたが、
純粋種はもう見ることが難しい」(『白い犬とブランコ莫言自選短編集』吉田富夫訳)と。