やはり、『雪国』、『スノー・カントリー』は、高級で、
象徴主義的なポルノグラフィーであるという私の結論は、
ここで撤回する必要を認めないのである。

文学作品の読み方というものは、誤読や曲解も含めて、いろいろあって、
ましてや外国文学作品ということになると、
どこからそんな読み方が出てくるのかといぶかしい思いがすることさえ少なくない。

中国の現代文学を代表する作家・莫言の『雪国』の読み方も、
そうした創造的誤読とでもいいたくなるようなもので、
彼の初期の最も重要な短篇小説『白い犬とブランコ』は
彼の作品の主要な世界である高蜜県東北郷が最初に舞台となった小説は、
『雪国』のなかのたった一行の文章からヒントを得て書かれたものであることを、
莫言自身が証言している。