全部終わった。ガルシルドは警察に連れて行かれた。

俺はイナズマジャパンの前から、静かに姿を消した・・・つもりだった。

「待ってくれ。」

振り返ると、鬼道君が立っていた。

「どうした?みんな心配してるんじゃないのか?」

「平気だ。それより、教えてくれ。嬉しかったって、どういうことなんだ?」

俺は少し考えた。

「・・・わからない。でも、なにがどうであれ、鬼道君を助けたかった。それだけだ。

君には感謝している。俺にとって初めての暖かさをくれた。」

俺は歩き始めた。これで終わりにするつもりだった。


「俺は、あなたが好きなのかもしれない!」


鬼道君の言葉が、俺の脚を止めた。

そして振り返ると、俺にしがめついた鬼道君がいた。

「・・・俺は淫魔だぞ?悪魔なんだ。」

「関係ない。あなたは違うのか?じゃあ、なぜ俺を助けに来たなんていうんだ。」

その言葉で、全て分かった気がした。胸の中にずっとあったこのもやもやが何なのか。

「・・・・好きだよ。俺も、鬼道君のこと。」

「・・・明日、決勝戦なんだ。場所は、タイタニックスタジアム。」

「行くよ。絶対に行く。」

俺は鬼道君の額にキスをした。



END