映画 ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから Blu-ray BOX 日本語吹き替え版

 

ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから

 パンデミックによって映画の興行も大幅な変更と修正を余儀なくされた2020年も、あと少しで半分が過ぎようとしている。そこで、運よく新型コロナウイルスの感染拡大以前に劇場公開されるか、配信中の作品の中から、幾つかの主要メディアが”SO FAR(これまでのところ)”と断った上でベストに推している作品を列記してみたい。これらがすでに延期が決定している来るべきアワードシーズンを牽引する可能性は高い。

 

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 同じくNetflixの青春ラブロマンス『ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから』(5月1日より配信中)をベストの1本に推しているのは、”TIME”、”New York Times”の2大老舗媒体だ。監督デビュー作『素顔の私を見つめて…』(06)が第15回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映され、好評を博したアリス・ウーが15年ぶりにメガホンをとった本作。アメリカの田舎町にある高校に通う中国系の女子高生が、アメフト部の選手からラブレターの代筆を頼まれるのだが、相手はなんと彼女が密かに思いを寄せている美少女だったという痛い設定から物語が微妙に捻れていく。『ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから

 

ウー監督の演出は洗練されていて、繊細かつユーモラスで、新しい青春映画を探し求めているファンにはまさにうってつけ。手紙とスマホという新旧のツールを使ったアイディアも新鮮で、配信が開始されるや否や、SNSを中心に熱烈に支持する声が上がった作品だ。今年のスリーパーはもしかしてこれかもしれない。

 

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HBO FILMS (C)製作の『バッド・エデュケーション』(BS10 スターチャンネルで6月26日夜9時~放送/Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX-DRAMA & CLASSICS」にて配信中)の評判も高い。2020年に学生新聞がすっぱ抜いた教育長による巨額横領事件の顛末を描いたダークコメディで、教育長を演じるヒュー・ジャックマンと、その同僚を演じるオスカー女優、アリソン・ジャネイの演技対決に注目が集まっている。

 

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今回が初共演の2人が醸し出す抜群のケミストリーもさることながら、総額1120万ドルが着服されたこの事件をいち早く報じたのが学生新聞部だったところが皮肉で、彼らのプロ顔負けの裏どりには舌を巻く。新聞部の当事者だったマイク・マコウスキーが手掛けた臨場感溢れる脚本も見事で、ここ数年続いたジャーナリズム考察映画の流れを汲む1作と言えそうだ。