梅雨明け猛暑である。
7月、トップのハイシーズンに突入も、だが実はルアーはほとんど売れていない。

入退院を繰り返していた間、注文が多く入ってしまったらどうしよう、などと心配していた。
だが幸か不幸か注文がほとんど入らずにいて、正直な話ほっとしていた。

僅かなリピーターの方がいて、そういう方のために作っているような現状。
実績は十分以上に出ているので、注文が限られているのは使っていない方からの信頼感と期待値、価格が釣り合っていないのだろうな、と思います。

気持ちは判るのです。
近年のBLCCのお客さんの中で、作者の私の事を直接知る人は多くない。そういう客から見たら、良く判らない奴が自信たっぷりに「釣れる」とWEBで偉そうに言ったって、そんなに高価なルアーをホイホイと買えるわけはない。
一方でこれは釣れる、と思って買ってくれる方も、シークレットにしてしまってしまうのも判ります。

BLトンボを皆が使うようになると、自分が釣る分が他人にも釣られてしまう。
スレが早くなってしまう。
それも真実なので、以前から流通量や価格設定は検討課題でした。

黒沢氏が脳梗塞で倒れるなど思いもしなかった昨年3月、3DプリンタのブランクをBLCCに納める条件として、私は7,700円で売る事を黒沢氏に条件づけました。
黒沢氏が倒れる前、当初の計画で私はブランクやウィングを作って卸し、塗装や組み立ては黒沢氏が行いBLCC店舗で売る予定でした。
私としては、やせ我慢して安価で販売している黒沢氏に、相応の価値(価格)をもって販売して欲しかったのです。

そして7千円を出してでも良いバスを釣りたい、と思う方に買って欲しかった。
安易に手を出せない価格にして、黒沢氏のルアーを信じる人が良い思いをし、黒沢氏の懐も温かくなる事を夢想したのです。

たぶん、黒沢氏が健康でお店で売るとしたら、7,700円でも飛ぶように売れていたはず。
だが現状、これは仕方のない事だし、病体に鞭打ってルアー作りに励むのも限度があるので、大量生産計画は中断という事にしておこうと思います。

一方で「すごく売れる」と信じて下さってる黒沢氏に落胆や誤解を与えかねないので、それは困ったところではあります。
売上を報告したくても、赤字が累積している事実が頭をもたげている事は、皆さまにも公表しておこうと思います。

「焦る必要はないじゃん」
「よほど何かに困って急いでるのか?」

なんか、そういう声が聞こえてきそうですが、諸事情はさておき、私には時間が無い事は公表しちゃいます。
たぶん来年は生産できる確証がないので。
今後リピーターさんが良い思いをして、それで徐々に3Dトンボを欲しがる人が増えてきたころ、作者の私はこの世にいない可能性がある。

その時になって、焦って探し出す人の顔も数人思い浮かびますが、そいつらには渡さない(笑)
最期の時が近づいたら、友人やリピーターさんたちにそれぞれ一生分を作って渡してしまおうか、などと考え中です。
もちろん転売禁止でw



現在製作中のリアルミノー系トンボ70mm。
ハンガーに吊るして外に干していたら、1個だけ無くなっていた。
誰かが盗るなら全部持ってくだろうし、カラスが持ってったのだろうか?
と思案中。



気を取り直して作り直し。
こういうのは、黒沢氏が以前から作りたがっていた。
たぶん毎日来るお客さん対応で、開発してる余裕がなかったんだろうな、と思います。
芦ノ湖の湖岸には、周年このサイズのワカサギが浮いています。