実はラジオ番組の提供を1998年からNACK5で行っていました。番組提供だけでなく制作まで関わるということをやってましたのでラジオ番組の作り方も理解しました。

その経験から私なりにラジオという媒体の特性で理解したこと。

「メッセージ」を発信すると「どこかの誰かに」伝わるということです。

どこかの誰かはこちらからは見えないのですが、こちらのメッセージに対する感度を持った人のアンテナに届くという感じです。

NACK5はFMラジオとしてはじめてリクエストや感想をFAXで受け取る仕組みを作ったラジオ局でそれが新しいFM局の流れを作りました。

埼玉に本社を持ち開局が1988年。これは聖学院大学の開学と同じ。さらに開局記念日が10月31日で、これもなんと聖学院大学と同じなのです。(うちの開学記念日はルターの宗教改革にちなんだ宗教改革記念日にしています。)1988年は国鉄が民営化してJRになった年でもあるので何か社会が変わりはじめた頃でもあります。一年後の11月9日がベルリンの壁が崩壊した日でもあります。

永六輔さんの『どこかで誰かと』というラジオ論もそういうことだったと思っています。

『伝言』岩波新書にはそのようなことが書かれていたはずです。


2000年代に入り、そのラジオのメッセージ性と受信の原理(どこかの誰か、アンテナを持つ人に届く)がWEBに移行したと考えてラジオ番組制作からWEB広報に軸足を移しました。

大学でバナー広告をバリュークリック社を通じて出したのは本学が早かったと思います。

その後google検索が来て、それがamazonのロングテール(クリス・アンダーソンの説)につながります。『どこかの誰か』ということは検索エンジンに見事に受け継がれたと考えています。

それがやがて私の中ではソーシャルメディア広報への取り組みにつながっていきます。

おそらく中学生時代に聞いた永六輔さんと中川久美さんのパックインミュージックそして大学時代の『どこかで誰かと』でラジオメディアの特性に気づかせてくれたことが今の私の活動影響しています。


伝言 (岩波新書)