今週のお題「私の夢に出てきてしまったアノ人」で真っ先に思い出すのが高校生の頃に見た夢。だからもう35年くらいも前の夢になるが、いまでも思い出せるくらい私にとって衝撃的なものだった。その日、昼間にNHKの名作劇場みたいな番組で『情婦マノン』  という映画をやっていた。高校生だった私が、奔放な女性マノンに引かれるロベールという主人公のことをどれだけ理解できたかはわからないが、ある感動をもってその映画を観た。フランス映画のわかりにくさというのがなく、強烈な後味を残す作品だった。
 そして、その夜見た夢は、その映画に影響されたとしか思えない不思議な夢だった。夢の中で、自分自身が、3,40歳台の大人になっており、すでに結婚していた。その結婚相手は金髪の透き通るような白い肌の女性(メリル・ストリープのような)。ふたりは北欧の田舎、冬、まったく雪に閉ざされた家に住んでいた。2階の窓から外を見ると真っ白い雪に埋まっており、完全に外の世界から隔絶された生活をしているというものだった。スエーデンかノルウェーと思われるようなところ。その夢は色が付いており、それだけでも印象的だったが、とてもきれいな女性だったので、それを見た後、自分の人生の中でその女性と出会うのだろうとずーと思っていた。それくらいリアリティがあったのだ。
 しかし、そんな女性とも出会うこともなく、北欧に行くこともなく実年齢が、夢で見た年齢をとうに越えてしまった。あの夢はなんだったのだろう。